誘電街頭
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#771 [ヨヒト]
「ちょっ……先輩!離して下さい!いきなりなんですか?!離さないと!投げ…ッますよぉっ!!」

僕の体が宙を舞い、きれいな弧を描きながら地面に着地した。正確には、衝突した。
受け身もとれず背中からもろに落ちたため、息が出来ず盛大にむせた。


「ゲホッ…ゲホッ!……いや!お、おまえ…!!もう…投げてるし!」


ツッコミにも勢いがない。

⏰:09/12/06 19:35 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#772 [ヨヒト]
「先輩が悪いんですよ!あたしはヨッシー先輩と楽しく話してたのにっ!いきなり連れ出すなんて!あんな強引な連れ出し方!漫画でしか見たことないですよ!しかも何気にお尻触ってるし!あー!もしかして先輩あたしのことが………」


突然、はっとしたようにマシンガンの如く言葉を打ち出していた口が突然動きを止めた。
加えてなんだか体をもじもじさせ、心なしか頬を赤らめているようにも見える。            なんだ?急にトイレがしたくなる呪文でも唱えてしまったのか?それとも僕の今まで眠っていた力が今目覚めて、詠唱を排除した呪文を無意識に浴びせてしまい、尿意をもようさせてしまったか。そうだとすればそれは悪かったな。すまん。謝っておくよ。

⏰:09/12/06 19:36 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#773 [ヨヒト]
「おい、トイレならそこにあるぞ?我慢するのは体に毒だぜ。」


途端、モジモジしていた体が一瞬ビクッと震えたかと思うと、顔が真っ赤に紅潮し始めた。今度は目まで充血させている。

なんだコイツ。強化魔法でバーサーカー状態にでもなるつもりか。さてさて、困ったもんだ。

さあ、冗談はこのくらいにしよう。コイツ本当にどうした?顔は林檎のように真っ赤に染まり、体は吹雪の中にでもいるみたいに震えている。上は大火事、下は猛吹雪だ。……………いや、なんでもない。

⏰:09/12/06 19:37 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#774 [ヨヒト]
「お、おいおまえ本当にどうし………」


刹那。強烈な痛みと共に目の前に星が散らばった。右ストレートを受けたらしかった。目にも留まらぬ速さで僕の懐に潜り込み右ストレートを放ったのだ。
流石うちの戦闘担当だ。常人離れしたバランス感覚としなやかさを持っている。毎回化け物と戦ってるだけあるね。感心感心。

⏰:09/12/06 19:38 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#775 [ヨヒト]
僕は平衡感覚を失い、その場に倒れそうになったが、女の子にやられてたまるかというプライドが僕の体を支えた。途端、世界がぐるりと回転した。今度は強烈な一本背負い。背中からもろに叩きつけられ、またも息が出来なくなった。

「がはっ!!」

あっけなく地面に伏せられた僕は息を整えるために不様にもまるまった体勢をとった。そこへ僕より小さな体が馬乗りになってきた。息つく暇もない。ちょっとは休ませてくれ。

⏰:09/12/06 19:39 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#776 [ヨヒト]
「ゲホッ、な、なんなんだよ……!」
            むせながら見上げると、そこにさっきの顔を真っ赤にした少女の姿があった。ツインテールの髪が僕の頬を撫でる。少しだけ涙ぐんでいるようだった。

ふむ。こいつのこんな顔を見るのも新鮮でいいな。

………………てゆーかこいつ、かわいいな…。   普段はこの上なく憎たらしい(僕のことを下撲とか言うし、名前忘れたとか言うし)奴なのだが、なんだコイツ、黙っている時はかわいいんだな。本当損な性格してるなコイツ…。

やっと息も落ち着いてきた時、目の前の少女の口が動いた。何か言いたそうにもごもごしている。時折半目になって僕から焦点を外したかと思うと口をとんがらせてモジモジしている。

⏰:09/12/06 19:40 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#777 [ヨヒト]
てゆーか、今更だが、なんだ、この状況は?
なんで僕、押し倒されてるの?なんで君、僕を押し倒してんの?
てっきり、馬乗りになりマウントポジションをとりそして相手をボコ殴りという黄金の法則が成立してしまったと思ったが、なぜ僕は殴られていない?てゆーか逆に、一歩間違えれば今にもキス出来てしまうような状況だ。うーん、どうしよう。

「……先輩。」


沈黙を破ったのは篠塚の声だった。一瞬誰の声かわからなかったが、声が目の前からしたので篠塚と断定出来た。

なにコイツ。声も違うじゃん。そっちの方がかわいいよ。僕が気付いてよかったな。おまえこの先、損な人生送るとこだったぜ。

⏰:09/12/06 19:41 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#778 [ヨヒト]
「先輩……。いいですよ…。」

「え?……なに?」

「仕方ないけど…奈沙、先輩とならいいですよ…」


声が小さくて聞き取れなかったが、その瞬間、あろうことか顔が近づいてきた。

これはやばい。非常にやばい。なんとかして打開しなければならない。僕の後の人生に響く。

しかし、その危機的状況の打開策が浮かんでこない。それもそうだ。こんな経験初めてだからな。迅速な対応なんて出来るはずがない。終わった。もう駄目だ。頭が真っ白だ。僕にこんな試練を与えた神様が憎かった。

⏰:09/12/06 19:42 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#779 [ヨヒト]
「あら、二人とも楽しそうね。わたしもまぜてくれるかしら?」


やけに落ち着いていて、それでいて強いプレッシャーをまとった声がしたかと思うと、神野先輩だった。「わたしもまぜてくれるかしら」の真意は判らなかったが、そんなこと今はどうでもよかった。神様は僕を見捨ててはいなかった。僕のために救命ボートを出してくれたのだ。


「か、神野先輩!!」

見事なハモりをみせつけながら僕と篠塚は、突然我にかえったように互いの体から離れた。

⏰:09/12/06 19:43 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


#780 [ヨヒト]
「いやー、神野先輩が来てくれてよかったですよ〜。僕このままだったらボコボコにぶん殴られてましたよ。」

僕が安堵した声で言うと、隣からいつもの篠塚の声がした。

「違うんですよ神野先輩!下撲先輩ったらあたしの手とかお尻とか!もう体中を触りまくってきたんであたし怖くなって怖くなって……」

篠塚は今にも泣きそうな声で神野先輩に訴えた。



な、な、な?!
なんだコイツ!しでかしたことを全て僕のせいにするつもりか?!しかも情報の捏造までしやかったぞ?!コイツ……!!今度会ったら覚えとけよ!!

⏰:09/12/06 19:43 📱:SH902i 🆔:0uQF.SDc


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