【一緒に】球体関節人形【つくろう】
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#67 [七氏]
そこで稲川さんは女性にアドバイスをした。
「じゃあね、その子に今度お姉ちゃんが来たらそのお姉ちゃんはどんなご用事があって来ているのか聞いてもらいなさい。」
「はい・・・。」
それからしばらくして稲川さんの元に再びその女性から電話があった。相変わらず子供は
「ふ〜ん、そう。そうなんだ〜。面白いね〜。アハハ!」
といった具合に、様子は変わらない。しかしその女性はもはや眠るどころの話では無い。恐怖のあまり布団をかぶって、中でガタガタ震えていたのだという。そして翌日。
「お姉ちゃんはどんなご用事があったの?」
「うん。お姉ちゃんはねぇ、お姉ちゃんのお母さんを探してるんだって。」
「?お姉ちゃんのお母さんって・・・誰なの?」
「お姉ちゃんのお母さんっていうのはねぇ、お姉ちゃんのお着物を作ってくれた人なんだって。」
この時の様子を克明に電話口で話しながら女性が口を開いた。
「そういえば稲川さん・・・。あたしの母が「例の人形」の着物を作りましたよね・・・。」
女性はこの話を自分の母親にも話したという事だったが、それを聞いた女性の母親が、あの人形のことが気になるから一度見てみたい、と言っているらしいのだ。
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#68 [七氏]
稲川さんは了解し、現在人形を預けているお寺の人と連絡を取る事を約束した。人形は最後に前野さんが預けたお寺に、今も安置されている。電話でお寺の方に確認してみたところ、毎日お供え物をあげて、着物や体もたまに掃除して大事に奉ってあるのだという。稲川さんは事情を話し、一度人形に会いに行ってもかまわないかという事を聞くと、お寺の人は快く承諾してくれた。安心した稲川さんは女性にこの事を伝えようと思ったのだが、たまたま仕事の仲間から電話が入り、話し込んでしまった。電話が終わった後に稲川さんは女性に電話する事を思い出し、受話器に手を伸ばした。すると、まさにその瞬間である。電話が鳴った。
「ハイ、稲川ですが。」
「あぁ、こんにちは、先程はどうも・・・。」
電話をかけてきたのは、ついさっき稲川さんが電話で話した、人形を預かってもらっているお寺の人であった。
「あぁ、こちらこそ。先程はどうも。今週中にでも私とその女性、それと母親でそちらに伺おうかと思ってるんですよ。」
「実は・・・その事なんですが・・・。」
「?どうかしましたか?」
「・・・居ないんですよ・・・。」
聞いてみると、稲川さんとの電話の後、そのお寺の人は人形の様子を
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#69 [七氏]
見てみようと思い、奉ってある場所に行ってみたのだという。すると信じられない事に人形の姿が無かったという事であった。そばに置いてあった人形用の着物も一緒になくなっていたのだという。結局人形に会いに行く事は出来なくなってしまった。それからしばらくして、再び女性から電話があった。
「稲川さん・・・。最近娘が以前とは違う事を言ってるんです。」
「・・・どんな事?」
「お母さ〜ん。お姉ちゃんはねぇ、あっちの方でバラバラになってるよ?」
33 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・: 2001/01/24(水) 03:02
それ聞いたとき、稲川さんの頭にはなぜか「四国」が思い浮かんだという。なぜなのかは稲川さん自身理解できなかったという。しかしよく考えてみると、四国というのはあの前野さんの菩提寺がある土地なのだ。つまり前野さんの実家が、四国にはあるのである。だがこの話を聞いても特に稲川さんは驚かなかった。むしろ納得したようにこの話を聞いていた。
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#70 [七氏]
というのも、この電話を女性からもらう直前に稲川さんの身に不思議な事が起こっていたのだ。稲川さんの部屋はマンションの最上階にある。稲川さんはクーラーが苦手な為、夏の暑い日は窓を開けて寝てしまうのだという。最上階なので風通しが良く、心地よく寝られるのだ。枕元の窓にはスダレがしてあるのだが、たまにマネージャーが入ってくるとそのスダレがこすれるような音がするので、すぐに目が覚めるという。この日も稲川さんは寝ていたのだが、
「パタパタパタ・・・。」
という聞き慣れた音で目が覚めた。
「・・・ウ〜ン。ガンちゃんかい?どうしたの?」
ガンちゃんという愛称のマネージャーなのだが、この日は稲川さんが声をかけても返事をしないで部屋の中を歩き回っている。不審に思った稲川さんだったが、眠たかったので特に気には留めず、再び眠ってしまった。後日稲川さんはガンちゃんに聞いてみたのだが、稲川さんの部屋には行っていないと言う。しかしそれからずっと、である。その不審な物音は一向にやむ気配が無い。稲川さんが眠っている最中だけではなく、起きているときにもハッキリとその音は確認できるほど鮮明なのだ。稲川さんはそのうち、
「・・・来る・・・。」
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#71 [七氏]
と、感じ取れるまでになってしまったという。稲川さんにはその足音の主が誰なのかはほぼ見当がついていた。
「・・・恐らくあの人形は生きていて、今も自分に関わった人間を求めてさ迷い歩いているんだ・・・。という事は・・・。」
その時である。稲川さんが「という事は・・・。」と考えた瞬間に稲川さんは自分に向けられている不気味な視線に気が付いた。ビックリして辺りを見渡してみる。するとフスマの隙間が開いていた。そこには・・・。おかっぱ頭で真っ白い肌をした女の子が顔を半分隙間から覗かせて、稲川さんの方を「ジーッ」と見つめているのだ。来ているのです。稲川さんの方を見ているのです。それは今も続いているのです。
「・・・進行中なんですよ、この話・・・。」
34 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・: 2001/01/24(水) 03:03
このお話を録音したテープが、10年くらい前に発売されたそうですが、テープを購入した人たちから、クレームが殺到したんだそうです。なんでも、再生中に、考えられないような現象が相次いだらしいです。1週間も経たないうちに、このテープは発売中止になったという・・・でね・・・このお話は、まだ終わっていないんですよ・・・
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#72 [七氏]
終わりです
それにしても稲川さんは強いですね
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#73 [†キリ∽ルシファーゼ†@植民地◆Rip...6jGI]
怖いな・・・久しぶりに鳥肌がたったわ
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#74 [七氏]
こわいなんてもんじゃないですよ 風呂入れなくなったんですから・ω・`
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#75 [七氏]
この長文をひたすら貼ってるお前の姿が怖いぽこちん
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#76 [七氏]
すまんが、長すぎて読む気になれなかった
要約してくれないか?
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