www.yomiuri.co.jp/..www.yomiuri.co.jp/..www.yomiuri.co.jp/..漫画家・古谷三敏(中)…物語の礎は聖地に
「何かモルトをお呑(の)みになりませんか」。
「BARレモンハート」(練馬区東大泉)で、漫画家・古谷三敏(76)は注文したビールを半分ほどあけると、
店長の山村雅寿にシングル・モルトを3種類ほど出してほしいと声をかけた。
山村が持ってきたのは、
甘い香りのするクラガンモア、薬のような香りがするラフロイグ、
世界一の売り上げを誇るシングル・モルトの定番・グレンフィディック。
グラスに注がれた琥珀(こはく)色の液体がゆったりと波打つ様子は変わらないが、香りは驚くほど違う。
同じ蒸留所のシングル・モルトでも、蒸留の年や熟成の年数によって香りや味は違うし、
同じボトルのウイスキーでも、どんなグラスで呑むかで味わいも異なる。
グラスの縁に顔を近づけ、豊かな香りを楽しんだあと、そっと口にふくむ。
そっと目を閉じ、舌を浸す。喉へと液体を送ると、
芳醇(ほうじゅん)な味が鼻に抜け、
体の芯へと燃えるような液体が落ちていく。
古谷は、奇麗な器で香りを立たせてにおいをかいでから呑むより、ショットグラスに入れたウイスキーをカーンと口の中に放り込む。その後、口の中から化けて出てくる香りを楽しむのだという。
香りは時とともに変化し、思いもよらなかった香りが余韻として残る。
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