Sehen wir uns wieder.
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#635 [奏]
君はまだ覚えてるかな
幼い頃の暑い六月
廃線になった線路を
僕等はどこまでも歩いた
乗り気で水筒なんかを
ぶら下げてきた雅敏は
おじちゃんに買ってもらった
マウンテンバイクを自慢した
:13/04/13 17:05
:IS12S
:EU1u0V.g
#636 [奏]
「けどな 俺はおじちゃんが嫌いなんだ
母ちゃんをいつも泣かせてばかりいるから」
僕は何だか気まずくなって
目をそらしたんだ
雅敏の顔に大きな青痣があったから
:13/04/13 17:05
:IS12S
:EU1u0V.g
#637 [奏]
降りだした夕立に走りだす
つぶれた無人駅で雨宿り
明日は何して明後日は何して
くだらない話で笑い転げる
嵐の予感に胸が高鳴る
あの時僕ら皆は確かに
夏を待っていました
:13/04/13 17:06
:IS12S
:EU1u0V.g
#638 [奏]
ここに居たくないってのと
どこかに行きたいってのは
同じ意味なのかな なんにしろ歩こうか
体育と部活が何より苦手な靖人は
とうとう膝を抱えてこう呟いた
「僕はいつも皆に置いてきぼりで
本当にダメなやつでごめんな」
僕らはなんだか笑ってしまった
つられて靖人も涙目で笑った
:13/04/13 17:07
:IS12S
:EU1u0V.g
#639 [奏]
背の高い夏草でかくれんぼ
鬼は迫り来る時間の流れ
もういいかいまだだよって叫んだよ
僕は今も見つからないままで
あの時と同じ膝をかかえて
部屋から青い空を見上げて
夏を待っていました
:13/04/13 17:09
:IS12S
:EU1u0V.g
#640 [奏]
身長が高くて喧嘩が強い
太平はいつも無茶な遊びを思いつく
「この鉄橋に一番長くぶら下がったやつの
言うことは何でも聞かなきゃダメだぜ」
僕らはびびって出来なかったけど
太平は平気な顔でぶら下がる
7年後に太平はビルから飛び降りた
そんな勇気なら無いほうが良かった
:13/04/13 17:10
:IS12S
:EU1u0V.g
#641 [奏]
高層ビルの下でかくれんぼ
あれから何年がたっただろう
もういいかいまだだよって声もない
もしも今日があの日の続きなら
僕らの冒険を続けな くちゃ
六月の空を僕は見上げて
夏を待っていました
:13/04/13 17:11
:IS12S
:EU1u0V.g
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