この春ぷ。様デビューしませんか?
最新 最初 🆕
#462 [ぷ。様エブリディ]
小説

ゆず恋より

『52枚の写真』

⏰:13/04/27 22:39 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#463 [ぷ。様エブリディ]
その瞬間まで 忘れていた事なのに、

ひょんな事から突然、気になり始めたり する。

そのきっかけは、 彼女からの素朴な質問。

ねぇ、純也の前の彼女ってどんな 人?」

決して悪気ではなく、彼女の真由子が聞 いてきた。

この夏に俺たちは結婚する。

⏰:13/04/27 22:41 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#464 [ぷ。様エブリディ]
だから真由子は、その前に知っておきた かったんだと思う。

「前の彼女?」

「うん」

夫婦になるからには、隠し事は厳禁…。 だよな。

だけど、俺の口から出てきた言葉は…。

「……さあ?…」

の、一言。

はぐらかした訳でも、ごまかした訳でもない。

⏰:13/04/27 22:46 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#465 [ぷ。様エブリディ]
なぜか記憶に薄くて、この言葉しか出て こなかった。

あれ?俺の前の彼女って

どんな人だったっけ…??

⏰:13/04/27 22:59 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#466 [ぷ。様エブリディ]
気になった俺は、当時を良く知るサトル に電話をかけてみた。

『――おっまえ、サイテーだな!!』

突然電話口に響く、親友の怒鳴り声。

⏰:13/04/27 23:00 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#467 [ぷ。様エブリディ]
ケータイを耳から離しても既に遅く、カ チ割れるような頭痛に襲われる。

「サトル…あんま怒鳴るなよ、俺今日二 日酔いで…」

だけど再び、サトルの怒鳴り声が電話口 に届く。

『7年ぶりに電話してきて“結婚する”だ あ!?

それはいいとして“俺の元カノどんなだっ け”!?って何だよテメー!!』

⏰:13/04/27 23:02 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#468 [ぷ。様エブリディ]
あまりの声の大きさに、ケータイがビ リッと響いた。

…ていうか、“テメー”って…。

正直、サトルがここまで怒る理由が俺に は分からない。

誰にだって思い出せない事の一つや二つ あるだろ?

⏰:13/04/27 23:05 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#469 [ぷ。様エブリディ]
正直、サトルがここまで怒る理由が俺に は分からない。

誰にだって思い出せない事の一つや二つ あるだろ?

理不尽にキレるサトルに疑問を感じなが ら、自分の気持ちをポツリポツリと口に する。

⏰:13/04/27 23:06 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#470 [ぷ。様エブリディ]
あっミスった


ごめん

⏰:13/04/27 23:06 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#471 [ぷ。様エブリディ]
『なにぃーーッ!??』

更に怒りを引き出してしまったらしく、 このあと延々と俺は怒られた。

25歳にもなって友達に叱られるなん て……。

⏰:13/04/27 23:07 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#472 [ぷ。様エブリディ]
そしてサトルは、最後にこう言った。

『つーかさ、たまには地元に帰ってこい よ!東京に行ったっきり俺ら会ってねー じゃん』

確かに俺は東京の大学に行って以来、地 元の奴らと会ってなかったりする。

サトルの怒りの一因は、これかもしれな い。

だけど俺の地元は中国地方で遠いし、絵 に描いたような田舎町で、はっきり言っ て足を運ぶ気になれない。

⏰:13/04/27 23:10 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#473 [ぷ。様エブリディ]
居るだけで窮屈に感じるあの町は、いま だに好きになれないんだよな。

だけど連絡すらしないのは、さすがに悪 い事をしたかも…。

「あ〜…悪い、でも実はこれからそっち に帰るんだよ。ちょうど実家に用あるか らな…」

そう、まさに今、駅のホームに立ってい る。

思いのほか電話が長引いてしまって、新 幹線を一本目の前で逃したところ。

⏰:13/04/27 23:11 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#474 [ぷ。様エブリディ]
帰る”と告げると、サトルの態度はガラリ と変わる。

『マジっ!?じゃあ帰ってきたら絶対言 えよ!?じゃーなー!!』

――ブツッ、

怒鳴るだけ怒鳴って、サトルは一方的に 電話を切った。

ツー、ツーと終話を告げるケータイを、 俺は複雑な思いで見つめる。

【通話時間41分07秒】

⏰:13/04/27 23:15 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#475 [ぷ。様エブリディ]
「―…なんか、ドッと疲れたな…」

相変わらずなサトルのテンションに、一 気に体力が奪われた気がした。

だけど7年ぶりの親友の声は、それなり に俺を懐かしくさせる。

電車に乗り込む足が、いつもより軽く感 じた。

⏰:13/04/27 23:18 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#476 [ぷ。様エブリディ]
2008年8月11日―

山と海しかない、地元の田舎町。

久しぶりに足を踏み入れてから、2日が 経過していた。

俺は今日、朝から物置で探し物をしてい る。

⏰:13/04/27 23:24 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#477 [ぷ。様エブリディ]
それは…

「…お、あったあった!うわ、すげー懐 かしい!」

すっかりほこりをかぶった、中学時代の 卒業アルバム。

元カノは同じ中学だったから、卒アルに 載っているはず…。

微妙に緊張しながら、ぶ厚い皮の表紙を 開く。

⏰:13/04/27 23:24 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#478 [ぷ。様エブリディ]
懐かしい顔ぶれ、

ボロい校舎、風景。

薄れかけていた記憶が少しづつ甦ってく る。

お世話になった先生、

悪い事しか脳が働かない、気の合う奴 ら。

そして、

当時付き合っていた彼女の、篠原美 月…。

「いた…」

その顔と名前を目にした瞬間…胸がチ クッと痛んだ。

⏰:13/04/27 23:26 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#479 [ぷ。様エブリディ]
その顔と名前を目にした瞬間…胸がチ クッと痛んだ。

どうして今更になって胸が痛むのか、自 分でもよく分からない…。

あれから10年もたって、記憶なんて曖 昧なのに…。

あの恋が初恋で、とにかく大好きだった のは覚えてる。

だけど終わり方は覚えていない。

気付いたら美月は、俺の目の前からいな くなっていたんだ…

⏰:13/04/27 23:26 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#480 [ぷ。様エブリディ]
「“美月”、かぁ―‥」

個人写真の美月は ピンク混じりの色白で、髪が長くて、飾 らなくても十分輝いている。

そういえば男達の憧れの的で、かなりモ テたっけ。

⏰:13/04/27 23:31 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#481 [ぷ。様エブリディ]
どんなにすました野郎でも、美月を目の 前にしたらみんなだらしなく鼻の下をの ばす。

本当にイイ女だった。

付き合えた俺は、ある意味ラッキーだっ たと思う。

美月はもう25歳になったんだよなぁ …。

⏰:13/04/27 23:33 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#482 [ぷ。様エブリディ]
無理もないか。

あれから一度も会ってないもんな。

そのせいで俺の中の美月は、15歳のま ま記憶が終わっている。

あいつは今頃、どこで何をしているのか な…。

⏰:13/04/27 23:35 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#483 [ぷ。様エブリディ]
「じゅ〜んやぁ〜〜!!」

一階から、なまり声で俺を呼ぶ声が聞こ えた。

…母親だ。

思わずガクッと肩の力が抜ける。

せっかく思い出に浸っていたのに、一気 に現実に引き戻されてしまった。

はぁ、とため息をつき、階段を下りる。

⏰:13/04/27 23:40 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#484 [ぷ。様エブリディ]
「何ー?呼んだー?」

階段の下まで降りると、母親は

「電話、サトル君から」

と言って、俺に受話器を差し出した。

…サトル!?

「――やっべぇ!!」

連絡する約束しといて、すっかり忘れて た。

⏰:13/04/27 23:49 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#485 [ぷ。様エブリディ]
長く鳴っている保留音を切り、恐る恐る 電話に出る。

「もしもし…?」

当然サトルのデカイ声が、電話口いっぱ いに響く。

『つか純也さぁ!もうこっち着いてんだ ろー!?駅で見かけたって噂で聞いた ぞー!』

⏰:13/04/27 23:56 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#486 [ぷ。様エブリディ]
さすがは狭い町だよな。

情報が早すぎる。

どんな噂もすぐに回って、小さな事でも 悪目立ちして…。

俺はこの町のそういう所が嫌いで、高校 卒業と同時に逃げるように出たんだよ な。

⏰:13/04/27 23:57 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#487 [ぷ。様エブリディ]
『誰が教えてくれたんだっけなぁ〜? あ、そうだ、山崎商店のオバチャンが教 えてくれたんだ!』

山崎商店のオバチャン…?

「誰だよっ!」

知らない名前に、思わず鋭いつっこみを いれた。

自分の知らない人が、自分を知ってい る。

⏰:13/04/27 23:59 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#488 [ぷ。様エブリディ]
田舎によくある光景だけど、またひと つ、この場所が嫌になってしまった。

『つぅかさぁ、帰ってきたのにまた連絡 ナシって冷てぇんじゃねぇ〜の〜!?』

受話器から、ふてくされた声が聞こえ た。

「悪い、少しバタバタしてて…もう用事 済んだし、今からサトルんち行くわ!」

『今から?お〜いいよ!ちょうど渡した い物もあるし』

「渡したい物?」

⏰:13/04/27 23:59 📱:ISW11K 🆔:T3rHlu5Y


#489 [ぷ。様エブリディ]
『おう。じゃあ純也、今度こそちゃんと 来いよ?』

「あぁ、分かってる。また後でな〜」

会う約束をし、受話器を戻した俺は足早 に階段を駆け上がる。

そして2階にある母親の部屋の前で立ち 止まった。

「おかん?俺出かけるから」

ドアの向こうに向かって話しかける。

「‥‥‥」

⏰:13/04/28 00:00 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#490 [ぷ。様エブリディ]
やっぱり、返事がない。

ドアの向こう側は、人の気配がしないほ ど、静まり返っている。

嫌な予感が頭の中をよぎった。

まさか―‥!

⏰:13/04/28 00:01 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#491 [ぷ。様エブリディ]
「おい、おかん!」

バン、と大きな音を立ててドアを開け る。

だけどそこに母親の姿はなく、タンスと テレビだけの殺風景な和室があった。

あれ…?

すると後ろから、タン、タンと、階段を 上がってくる足音が聞こえた。

⏰:13/04/28 00:02 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#492 [ぷ。様エブリディ]
「なにー?純也、大きな声出して」

てっきり部屋にいると思っていた母親 が、すぐ後ろに立った。

「…おかん、どこ行ってたの?」

「ん?納屋よ」

「…納屋?」

「うん、そう」

「――…んだよ、マジでびびった…」

⏰:13/04/28 00:17 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#493 [ぷ。様エブリディ]
全身の力が抜けて、ヘナヘナとその場に 腰を落とす。

びびった。本気で冷や汗かいた。

うなだれる俺を見て、母親はクスッと 笑った。

「なに純也…また私が倒れたとでも思っ たぁ?」

⏰:13/04/28 00:18 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#494 [ぷ。様エブリディ]
バカにしたような態度にムッときた俺 は、強い口調で言い返す。

「本気で心配したわ!笑うなや!」

…おととい、朝イチで地元に戻ってきた 理由は、「倒れた」と病院から電話がき たからだ。

結果的にはたいした事なく、一日の入院 で済んだんだけど…。

⏰:13/04/28 00:21 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#495 [ぷ。様エブリディ]
いつもこの瞬間だけは背筋がヒヤッとす る。

俺の母親は身体が弱い。

仕事を頑張りすぎては、たびたび身体を 壊す。

その度に俺は有給休暇をとって、新幹線 で帰ってくる。

俺の真剣な顔を見ると、母親はシュンと 眉を下げた。

「ごめんね…?」

「…無事ならいー」

⏰:13/04/28 00:22 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#496 [北野]
ぷ。様、今日も
いぱい絡んでくれて
ありがとう ٩(๑>∀<๑)۶

⏰:13/04/28 00:22 📱:F-03E 🆔:jEZpNnvg


#497 [ぷ。様エブリディ]
怒りの残る声で言い、ヒザを伸ばして立 ち上がる。

「あ、俺今からちょっと出かけるから」

それでも用件はきちんと伝え、玄関に行 く。

<

⏰:13/04/28 00:29 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#498 [ぷ。様エブリディ]
きたのーん


いつでも絡むぜ(●´ω`ノまたのぉーん

⏰:13/04/28 00:30 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#499 [ぷ。様エブリディ]
履きつぶしたスニーカーに足を入れる と、後ろから母親が追ってきた。

「ねぇ純也、私は本当に平気なんだか ら、わざわざ帰ってこなくてもいいの よ?」

おずおずと話すその口調は、説得力に欠 けるものだった。

「“平気”…?」

本当に平気な人間が、たびたび倒れたり しない。

そして病院から直接きた連絡に、心配し ない息子はいない。

何より母親の弱さは、俺が一番よく知っ ている。

「おかん、今更俺の前で強がんなくてい いよ」

⏰:13/04/28 00:34 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#500 [ぷ。様エブリディ]
俺はもう25歳の大人。

親に守ってもらうような、弱い子供時代 はとっくに過ぎた。

…と言うより、おかんがあのクソ親父と 離婚した13年前から、俺は守ってもら うのをやめた。

逆に、精神的に参ってしまった母親を、 どうにかして守らないと、って思った。

結局家を出た俺に、そんな事を言う資格 はないけれど。

⏰:13/04/28 00:36 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#501 [ぷ。様エブリディ]
“強がんなくていい”

と言われた母親は、少し困った顔をし た。

「でも…そんなしょっ中仕事休ませる訳 にもいかないしねぇ…カメラマンの仕 事って厳しいんでしょ?」

「…そんな事気にしなくていいんだよ。 今回はちょうど夏期休暇とぶつかって たし…それより、」

俺は少し間をあけてから、続けて話す。

「本当にいいの?一緒に住まなくて…真 由子は同居してもいいって言ってんだ し、おかんさえよければ…」

⏰:13/04/28 00:40 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#502 [ぷ。様エブリディ]
一緒に、住もう。

そう言おうとした時、おかんの声によっ て遮られた。

「何言ってんの、嫌よ、東京なんて」

「けど、一人じゃ…。 おかん自分の身体の事分かってる?また いつ倒れるか分かんないんだよ?」

これは電話で何度も交した会話。

だけどおかんは、俺の婚約者の真由子に 遠慮してか知らないけど、

首を一度も縦に振ってくれない。

⏰:13/04/28 00:40 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#503 [ぷ。様エブリディ]
「純也は真由子さんと二人で、自分達だ けの家庭を築きなさい」

いつも、これだ。

次におかんが何を言うか、もう分かる。

「“家庭をダメにした私が言えたセリフ じゃないけど”?」

母親が言う前に、俺が代わりに口にし た。

⏰:13/04/28 00:42 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#504 [ぷ。様エブリディ]
母親は少し驚いた後、苦笑いを浮かべ た。

「そうよ…、私は本当に純也にはあたた かい家庭をイチから作って欲しいの。

そうしたらきっと、私の一番の幸せにな るから」

…これはたぶん、強がりではなく、おか んの本音の気持ち。

息子の俺には分かる。

そして一度言ったら100%曲げない、 頑固な性格も分かっているつもり。

俺はため息をつく。

⏰:13/04/28 00:44 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#505 [ぷ。様エブリディ]
「分かった、任せてよ。言われた通り温 かい家庭作ってみせるよ」

そう言うと、母親は安堵の表情を浮かべ る。

「じゃあ、行ってくるわ」

玄関のドアノブに手をおいて、押し開け た。

真夏ならではの強い日差しが、全身に降 りそそぐ。

あぁ、夏だ。

単純な事を思いながら、サトルの家まで ひたすら歩く。

日陰がないせいで、めちゃくちゃ暑い。

セミの声がバカみたいにうるさい。

「――…あ、」

⏰:13/04/28 00:52 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#506 [ぷ。様エブリディ]
なぜかこの瞬間…

美月の事をふっと思い出した。

そういえば今歩いてるこの道、よく美月 と手を繋いで歩いた道だ。

その時の光景がうっすら甦り、くすぐら れたように胸の中が懐かしくなった。

⏰:13/04/28 00:52 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#507 [ぷ。様エブリディ]
サトルの家に着くと、挨拶もそこそこ に、写真の束を渡された。

「は?写真?」

よく見ると、中学時代の美月が写ってい る。

「返す」

「返す、って…サトルのだろ?これを俺 に渡してどうしろっていうんだよ?」

そう言って突き返そうとすると、サトル は首を横に振った。

「俺のじゃない。卒業するとき、お前が 俺に預けたんだろ?」

⏰:13/04/28 00:55 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#508 [ぷ。様エブリディ]
「俺のじゃない。卒業するとき、お前が 俺に預けたんだろ?」

「…そうだっけ?」

まったく記憶にないけど…。

「そうだよ。だから燃やすなり保管する なり好きにしろよ。もうお前の自由だ」

そう言われても…。

写真を一枚、一枚、確認すると、俺と美 月のツーショットばかりだった。

ほとんど俺が撮ったもの。

⏰:13/04/28 00:56 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#509 [ぷ。様エブリディ]
でも当時中学生の俺は、なぜこの写真を サトルに渡したんだ?

写真の中の美月は卒業アルバムと同様 に、やっぱり綺麗な顔立ちをしている。

「美月…今頃何してるんかな?」

素朴な疑問が、無意識に口からこぼれ出 た。

「…なに?気になんの?」

飲み物を注いでいたサトルは、ピタリと 動きを止めて俺を見た。

⏰:13/04/28 00:58 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#510 [ぷ。様エブリディ]
「気になるっつーか、こんなに写真見せ らんたら気にもなるだろ」

さっきのサトルの反応が気になり、少し ごまかすようにして言った。

するとサトルは不機嫌そうな表情を見せ る。

「振ったお前が今更気にするなよ、散々 冷たくしといて都合よすぎ」

え‥?

「俺が美月を振ったの?」

「どう考えても終わりにしたのはお前だ ろ?」

⏰:13/04/28 00:59 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#511 [ぷ。様エブリディ]
そうだっけ…?

何でだろう、全然覚えてねぇや。

思わず黙り込むと、サトルは深刻そうに 口を開く。

「‥純也、覚えてねぇの?」

「曖昧にしか…、もう10年も前だし」

「マジ…?時間が過ぎたからって、そん なに薄れるもんじゃねぇだろ?」

「いや、でもマジで考えれば考えるほど 分からなくなる。 何で俺ら別れたん だっけ?

気付いたら美月が目の前からいなくなっ てた事しか覚えてねぇ…」

⏰:13/04/28 01:01 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#512 [ぷ。様エブリディ]
そう言うと、サトルは長いため息をつい た。

「そういうのは俺に聞くな。てゆうか俺 も全部知ってる訳じゃねぇし…なんなら 本人に聞け!」

サラリと口にするサトルに、俺は耳を 疑った。

「はぁ?本人に?」

⏰:13/04/28 01:03 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#513 [ぷ。様エブリディ]
「だってお前、今日の同窓会のために 帰ってきたんじゃねーの?

さすがに美月ちゃんも来るみたいだし、 話しちゃえよ。

これを逃したらもう会う機会なんてない だろうしな」

「え、同窓会?あるの?しかも今日っ て…」

すっかり地元の奴らと疎遠の俺は、同窓 会がある事すら知らなかった。

⏰:13/04/28 01:06 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#514 [ぷ。様エブリディ]
「あるある。お前引越し繰り返してるか らな〜ハガキもこなくなるか」

サトルは本棚から同窓会を知らせるハガ キを取り出し、俺に見せた。

確かに今日、中学校の同窓会があるみた いだ。

「でも何でこんなに始まる時間はえー の?午後の3時って…」

⏰:13/04/28 01:07 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#515 [ぷ。様エブリディ]
しかも集合場所は中学校の裏にある山と きたもんだ。

田舎らしさ満点。

「それはあれだよ、10年前にタイムカ プセル埋めたじゃん?それを掘り返すん だよ」

「あー…そういえば、埋めたような、埋 めてないような…」

「…それすら覚えてねぇか、重症じゃ ね?お前」

サトルはすでに呆れ気味だった。

俺も何でこんなに中学時代の記憶が薄い のか分からない。

まぁもともと記憶力は乏しい方だけど。

⏰:13/04/28 01:14 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#516 [ぷ。様エブリディ]
たいてい記憶は、頭の中で反芻しないと 薄れていくもんだけど…

俺にとっての中学時代は、思い出したく ないほど嫌なものだったのか…?

気になった俺は、自分の中に眠る思い出 を探す事にした。

いったんテーブルに置いた写真を無造作 に手に掴み、立ち上がる。

「なんだよ純也、もう帰んのかよー?」

すかさずサトルは引き止めてきた。

⏰:13/04/28 01:17 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#517 [ぷ。様エブリディ]
だけど俺は出されたお茶を一気に飲み、 帰り仕度をする。

「また午後にゆっくり話そうぜ、俺 ちょっと行く所あるんだわ」

「おっ、純也も来る気になったか!みん な喜ぶよ。あ、午後3時だからな!」

俺の気が変わらないようにと、念を押す サトル。

「分かった、分かった。3時な」

片手を挙げ、サトルの部屋から出た。

⏰:13/04/28 01:23 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#518 [ぷ。様エブリディ]
手に持った写真を数えてみると、51枚 もあった。

写真の中の風景は、 学校がほとんどで、

あとは俺の家だったり、 公園だったり、 帰り道だったり、

この狭い町のほとんどが写っていた。

こんなにも思い出があったんだと、改め て気付かされた。

デジカメで撮影された写真は、左下に小 さく日付が書かれている。

⏰:13/04/28 01:24 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#519 [ぷ。様エブリディ]
俺は写真を全て道端に並べ、 日付の古いものから順に手に取っていっ た。

すると汗が一滴、ポタ、と写真に落ち た。

「――げ!」

慌てて手で写真をこする。

だけどアスファルトに反射した強い熱 が、次々と汗を引き出す。

こぼれ落ちる汗を無視しながら、全て日 付け順に写真を揃えた。

一番古い写真の日付けは、

【1997年5月17日】

だった。

⏰:13/04/28 01:25 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#520 [ぷ。様エブリディ]
写真の中の俺と美月は、学校の屋上で、 ぎこちない笑顔をしている。

確かこの写真は『付き合った記念』とか 言って、撮ったものだ。

まだ手すら握らない、ぎこちなく新鮮な 二人。

最初に『好き』って告白したのは美月の 方だったんだよな。

出会いは、確か―…。

⏰:13/04/28 01:28 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#521 [ぷ。様エブリディ]
第一章

おわり(●´ω`)どうでしたか?


需要あるかな?(´ω`)

まぁやることないなので
第二章やります

⏰:13/04/28 01:31 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194