この春ぷ。様デビューしませんか?
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#504 [ぷ。様エブリディ]
母親は少し驚いた後、苦笑いを浮かべ た。

「そうよ…、私は本当に純也にはあたた かい家庭をイチから作って欲しいの。

そうしたらきっと、私の一番の幸せにな るから」

…これはたぶん、強がりではなく、おか んの本音の気持ち。

息子の俺には分かる。

そして一度言ったら100%曲げない、 頑固な性格も分かっているつもり。

俺はため息をつく。

⏰:13/04/28 00:44 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#505 [ぷ。様エブリディ]
「分かった、任せてよ。言われた通り温 かい家庭作ってみせるよ」

そう言うと、母親は安堵の表情を浮かべ る。

「じゃあ、行ってくるわ」

玄関のドアノブに手をおいて、押し開け た。

真夏ならではの強い日差しが、全身に降 りそそぐ。

あぁ、夏だ。

単純な事を思いながら、サトルの家まで ひたすら歩く。

日陰がないせいで、めちゃくちゃ暑い。

セミの声がバカみたいにうるさい。

「――…あ、」

⏰:13/04/28 00:52 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#506 [ぷ。様エブリディ]
なぜかこの瞬間…

美月の事をふっと思い出した。

そういえば今歩いてるこの道、よく美月 と手を繋いで歩いた道だ。

その時の光景がうっすら甦り、くすぐら れたように胸の中が懐かしくなった。

⏰:13/04/28 00:52 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#507 [ぷ。様エブリディ]
サトルの家に着くと、挨拶もそこそこ に、写真の束を渡された。

「は?写真?」

よく見ると、中学時代の美月が写ってい る。

「返す」

「返す、って…サトルのだろ?これを俺 に渡してどうしろっていうんだよ?」

そう言って突き返そうとすると、サトル は首を横に振った。

「俺のじゃない。卒業するとき、お前が 俺に預けたんだろ?」

⏰:13/04/28 00:55 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#508 [ぷ。様エブリディ]
「俺のじゃない。卒業するとき、お前が 俺に預けたんだろ?」

「…そうだっけ?」

まったく記憶にないけど…。

「そうだよ。だから燃やすなり保管する なり好きにしろよ。もうお前の自由だ」

そう言われても…。

写真を一枚、一枚、確認すると、俺と美 月のツーショットばかりだった。

ほとんど俺が撮ったもの。

⏰:13/04/28 00:56 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#509 [ぷ。様エブリディ]
でも当時中学生の俺は、なぜこの写真を サトルに渡したんだ?

写真の中の美月は卒業アルバムと同様 に、やっぱり綺麗な顔立ちをしている。

「美月…今頃何してるんかな?」

素朴な疑問が、無意識に口からこぼれ出 た。

「…なに?気になんの?」

飲み物を注いでいたサトルは、ピタリと 動きを止めて俺を見た。

⏰:13/04/28 00:58 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#510 [ぷ。様エブリディ]
「気になるっつーか、こんなに写真見せ らんたら気にもなるだろ」

さっきのサトルの反応が気になり、少し ごまかすようにして言った。

するとサトルは不機嫌そうな表情を見せ る。

「振ったお前が今更気にするなよ、散々 冷たくしといて都合よすぎ」

え‥?

「俺が美月を振ったの?」

「どう考えても終わりにしたのはお前だ ろ?」

⏰:13/04/28 00:59 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#511 [ぷ。様エブリディ]
そうだっけ…?

何でだろう、全然覚えてねぇや。

思わず黙り込むと、サトルは深刻そうに 口を開く。

「‥純也、覚えてねぇの?」

「曖昧にしか…、もう10年も前だし」

「マジ…?時間が過ぎたからって、そん なに薄れるもんじゃねぇだろ?」

「いや、でもマジで考えれば考えるほど 分からなくなる。 何で俺ら別れたん だっけ?

気付いたら美月が目の前からいなくなっ てた事しか覚えてねぇ…」

⏰:13/04/28 01:01 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#512 [ぷ。様エブリディ]
そう言うと、サトルは長いため息をつい た。

「そういうのは俺に聞くな。てゆうか俺 も全部知ってる訳じゃねぇし…なんなら 本人に聞け!」

サラリと口にするサトルに、俺は耳を 疑った。

「はぁ?本人に?」

⏰:13/04/28 01:03 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


#513 [ぷ。様エブリディ]
「だってお前、今日の同窓会のために 帰ってきたんじゃねーの?

さすがに美月ちゃんも来るみたいだし、 話しちゃえよ。

これを逃したらもう会う機会なんてない だろうしな」

「え、同窓会?あるの?しかも今日っ て…」

すっかり地元の奴らと疎遠の俺は、同窓 会がある事すら知らなかった。

⏰:13/04/28 01:06 📱:ISW11K 🆔:4fzWLTxo


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