黒猫の棲むところ
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#40 [イリア]



ビクッ


猫が腕の中で跳ねた。
ハッとする。

「…あ…起きた…?
こんにちはー…こんばんは?」

⏰:09/03/22 15:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#41 [イリア]

さっきの変な感じに
少し焦りながらも
私は目覚めた猫に話しかける。


タッ


「…あ」

猫は私の腕から飛び出し、
洞穴の向こう側で私を見据えた。

⏰:09/03/22 15:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#42 [イリア]


「…何よー
そんなに威嚇(イカク)しなくても…
私は一応、
あんたを助けたのにさーって
まぁ猫に言っても仕方ないか…」


独り言。


そろそろ誰かと
会話がしたい頃だけど
生憎(アイニク)そんな相手はいない。

あ、でも猫に言ってるから
ふたりごと?

⏰:09/03/22 15:21 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#43 [イリア]



ザ―…


「雨だねー…」

一応、少し遠くで私を威嚇する
黒猫さんに話しかけてみる。

⏰:09/03/22 15:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#44 [イリア]



「私、雨は好きなんだ。
雨の音は嫌いだけど。」


⏰:09/03/22 15:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#45 [イリア]



ピクッ


猫の私を見る瞳(メ)が変わる。

何も映さなかった漆黒の瞳に、
私が映った。

⏰:09/03/22 15:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#46 [イリア]

少し私を見つめたあと、
ゆっくりと一歩
猫は私のほうに足を進めた。


「どうしたの…?」


その時


⏰:09/03/22 15:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#47 [イリア]



ピカッ


「キャッ!」

雷が光った。
すぐに大きな音がする。

「…びっくりしたぁ…
落ちたよね、近そうだな…」

⏰:09/03/22 15:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#48 [イリア]

すると猫は私からまた体を遠ざけ、
タッ と洞穴の外に駆け出す。


「…え?ちょっ!危ないよ!
雨降ってるから!雷も落ちたし!
戻りなよーッ!!」


すぐに猫の姿は視界から消え、
私の声だけ虚(ムナ)しく響いた。

⏰:09/03/22 15:26 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#49 [イリア]









⏰:09/03/22 15:26 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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