黒猫の棲むところ

「狐さんだわ//」

「どうしてあれほどのお顔なのに、
監督をしていらっしゃるのかしら??//」

「是非一度、演技している姿
拝見してみたいものですわ////」

遠くから声が聞こえる。

あぁやっぱ狐さんもモテるんだな。
かっこいいもんなー

猫「―…ッて、いうことだから…」

「あの!!//練習風景
少しだけ見せて頂けません??///

そうしたら私たち、
すぐに帰…「それは嫌だな…」

ん？猫さんのファンに対する
初めての否定的な言葉。

ついに本性だすのかな？

「―…あら、ごめんなさい……

私たち少し調子に―…「だって」」

また猫さんがファンの人の声に
声を被せる。

猫「―…明日の楽しみが、
なくなるでしょ？

それに僕、まだ台詞
全部覚えられてなくて…

…恥ずかしいから、嫌だな。」

その甘い声に、私もファンの人たちも
顔を赤くする。

僕って誰!!!

僕って誰???!!!////

っていうか台詞なら
もう覚えてるでしょ??!!///

「あらまぁ////そうでしたの////」

ファンの人たちが、
また甘ったるい声を出す。

「劇団ﾄｯﾌﾟ人気の黒猫さんでも
そんなこともあるのねぇ///」

「それはやっぱり、まだ18歳だもの//」

「ほら!私たち、お邪魔にならないよう
早く帰らなくちゃ!!//」

改めてさっきの、狼さんが
言っていた言葉の意味が分かる。

七「――……悪魔だ…///」

「…ところで貴女、
―…一体、どなた？」

私に声が向けられる。
突然のことに驚いた。

七「……ふぇっ??!!あ、私ですか？
えーと私は………」

猫さんのマネージャー？

いやぁ、そんなこと言ったら
何か色々ややこしいよな。

猫「新しいスタッフなんだ。

大道具の白(ﾊｸ)って奴に惚れて
この劇団に入ったみたい。

動機不十分だよねー」

猫さんがｱﾊﾊと、幼い顔で笑う。