黒猫の棲むところ
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#583 [イリア]



私は狼さんの腕を引っ張ると
森のほうに走り出す。


遠くで人だかりに囲まれた猫さんが
一瞬こっちを見た気がしたが、
今はそんなこと関係ない。


⏰:09/03/28 13:21 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#584 [イリア]



狼「……うぉ!!何だ何だ!!!!
何かあったのか?」


七「――ハァ…麗さんが…ッッ!!」


狼「麗?」



その言葉に狼さんがピクッと反応する。


⏰:09/03/28 13:22 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#585 [イリア]



狼「麗に何かあったのか?

場所は?場所はどこだ?」



七「…ハァ…ハァ…今、向かってます!!
そこ…その大きな木の向こう…ッッ」


私のその言葉を聞くと
狼さんは私を置いて走り出した。


⏰:09/03/28 13:22 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#586 [イリア]



間に合ったかな――………ッッ??

狼さんが木の近くで走るのをやめた。



七「??!どうしたんですか??
麗さん、大丈夫――……ッッ」


狼「…新入り…」


狼さんの声が響く。


⏰:09/03/28 13:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#587 [イリア]



狼「―…誰も、いないぞ?」


え……?


私も狼さんの横に着き、
さっきと同じ場所で前を見る。


七「――……嘘……」


⏰:09/03/28 13:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#588 [イリア]



するとさっきまで
麗さんと男性がいた場所には、

狼さんの言うとおり、
誰もいなかった。


⏰:09/03/28 13:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#589 [イリア]



七「……さっきまで確かに…」


麗「――……何がよ?」


後ろから、麗さんの声。
驚いて後ろを振り向く。


⏰:09/03/28 13:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#590 [イリア]



狼「――…麗」

七「…麗さん……」


麗「狼、あんた馬鹿じゃないの?
いきなり走り出すから、
何かと思ってついてきたら…
…私がなに?私はずっと
テントの傍(ソバ)にいたわ。
…あんた、雨原に騙されて…」


七「……違うッッ!!!!」

私が叫ぶ。


⏰:09/03/28 13:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#591 [イリア]



七「何で嘘つくんですか??!!
さっき確かにここで、
麗さんと男性4人で…
何か話してたじゃないですか!!

―……麗さん、震えてた!!
何で言えないんですか……ッッ!!」


⏰:09/03/28 13:26 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#592 [イリア]



嫌われてもいい。

一生、口をきいて貰えなくてもいい。


だから、本当のこと
狼さんに話してよ。

こんなに麗さんのこと想ってる、
狼さんに全部話してよ。


⏰:09/03/28 13:27 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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