黒猫の棲むところ
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#72 [イリア]
「…へぇ、俺を知ってるの?
劇団の常連さんかな…」
その人はクスッと笑い、言葉を続ける。
「でも、お客様。
マナーがなっていませんね、
俺と会話がしたいときは」
:09/03/22 18:29 :W61P :☆☆☆
#73 [イリア]
ザッ
刃の矛先を変える。
私のすぐ横に。
「あっ危なッ!!
何するんです―…」
「ギャアアアア!!!!!」
「…え?」
:09/03/22 18:29 :W61P :☆☆☆
#74 [イリア]
「…姿を見せてくれないと。
アンフェアは嫌いなんだ。
特に、俺が不利になることなんて。」
:09/03/22 18:30 :W61P :☆☆☆
#75 [イリア]
横を見ると、
刃に貫かれ左腕から血を流す……
「…え…鬼ッ…?」
そこにいたのは、
人間ではなかった。
鬼のような…
そういえばさっきこいつ、
妖がどうのこうのって……
:09/03/22 18:30 :W61P :☆☆☆
#76 [イリア]
「ウウウ…アスタリスクの…
まさかこんなところに…」
「鬼か…人間を襲う妖なんて
俺たちの舞台の客に相応しくない」
:09/03/22 18:31 :W61P :☆☆☆
#77 [イリア]
舞台?客?何の話…?
「…クッ…アスタリスクッッ!!!!!」
目の前の鬼が叫ぶ。
:09/03/22 18:33 :W61P :☆☆☆
#78 [イリア]
「何故…何故、貴様等は
人間を庇う!
半妖とて、妖は妖!!
ずっとこちら側で生きてきた…
何故いまお前らは、
人間の側に立つ!!」
:09/03/22 18:33 :W61P :☆☆☆
#79 [イリア]
「クスッ、どうだろう?
俺としては、人間の側に
立ってるつもりはないし…」
少年は妖艶に微笑むと、
また刃を振り下ろす。
:09/03/22 18:34 :W61P :☆☆☆
#80 [イリア]
「…てめぇら(妖)の側に
立ってたつもりもない」
刃は無惨にも鬼を貫き、
鬼は砂のように落ちる。
:09/03/22 18:34 :W61P :☆☆☆
#81 [イリア]
「…ソノ、女……アマ…ハラ」
「…クシュン!!」
少年がくしゃみをしたとき、
鬼は形をなくし、砂になり
空に舞った。
:09/03/22 18:34 :W61P :☆☆☆
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