黒猫の棲むところ
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#110 [イリア]




ボンッ!

「キャッ?!
――……え?」


私の目の前にいたのは

⏰:09/03/22 19:41 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#111 [イリア]


七「…き、きつね…?」


狐はコクン、コクンと頷くと、
右手を自分の頬にあて、
またボンッ と人間の姿に戻った。

⏰:09/03/22 19:41 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#112 [イリア]


狐「まぁ、こんな感じ。
気持ちをこめて頬に触れると
僕らは元の姿に戻れる。」


七「…信じられない…でも…
…ってことは」


私は狐さんの横で
腕組みをしている少年に話しかけた。

⏰:09/03/22 19:42 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#113 [イリア]


「…あのときの…黒猫さん…?」


「………ふん」


黒猫が、鼻を小さく鳴らした。

⏰:09/03/22 19:43 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#114 [イリア]


狐「あ!そうそう!
ネコくんのこと、
助けてくれたんだってね!
いやぁ有難う!」


七「助けたなんて…
私別に何も…」

⏰:09/03/22 19:43 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#115 [イリア]


狐「いやいやいや!
川の水で血を清めて、
雨からも守ってくれたんだろ?

凄いよ君、
見ず知らずの半妖をさ!
ネコくんに話を聞いたときは
感動しすぎて鼻水が出たよ!
あ、もちろんその前に
涙も出てるよ?

さぁ、君の無垢(ムク)で
美しい心に乾杯!
流石ネコくんがスカウトしたいと
いうくらいだよ!!
マリア様と呼ばせてもらっても
いいかい?」

⏰:09/03/22 19:45 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#116 [イリア]


七「マリア様はちょっと…
っていうか、
川…雨…スカウト…?」


猫「あの川、俺たち妖にとって
怪我に何よりも効く薬なんだ。
あと妖は雨が苦手。
雨が降ってると
力があまり出せない。」

⏰:09/03/22 19:46 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#117 [イリア]


黒猫さんが答えてくれた。
いや、でもあなた
私が止めるのも聞かず、
雨の中飛び出して
いきましたよね…?

まぁ、それは言わないでおこ。

⏰:09/03/22 19:47 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#118 [イリア]


七「もう、怪我はいいんですか?」


猫「…あんたのお陰で、何とか。
もともと血は止まってたしな」


良かった…口には出さなかったが、
代わりに私は口元を緩めた。

⏰:09/03/22 19:48 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#119 [イリア]


狐「ちょっと、僕を置いて
ラブラブしないでくれる?」


猫「いつラブラブしたよ、あ?」


狐「またそんな
えげつない声出すぅー
もぉーネコくんったら
顔と声と性格が合ってないぃー

僕の劇団の花形俳優ってとこ、
もう少し自覚して
欲しいとこだよね、まったく」

⏰:09/03/22 19:50 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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