黒猫の棲むところ
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#158 [イリア]


狐「妖は雨原一族を憎んでる。
新しい君主のもと、雨原の血を
途絶えさせるべく
全国に散らばってる。

だけど雨原だって
黙っては殺(ヤ)られない。
雨を呼び、妖を殺す。

そして、行き場のない
妖たちの憎しみは、
関係のない人間を殺す…
…悪循環だ」

⏰:09/03/23 23:57 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#159 [イリア]


七「―…私も殺すんですか?」


狐「え?」


七「なら、さっき
助けてくれないで良かったのに。
あのまま鬼に殺されておけば、
少しはあの鬼の憎しみも
取れたかもしれない。」

⏰:09/03/23 23:57 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#160 [イリア]


狐「…七衣ちゃん…」


七「だって、話だけ聞くと、
雨原一族って何なんですか。
あっち行きこっち行き…

そんなの妖に憎まれたって
文句言えないですよ、ね?」

⏰:09/03/23 23:58 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#161 [イリア]



猫「…まったく、正論だ」


狐「うん、記憶がないとはいえ
雨原の匂いがする人間に
こんなこと言われると…
不思議な気持ちだねぇ」


⏰:09/03/23 23:58 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#162 [イリア]


七「…あはは
殺すなら、殺してくれて
かまいませんよ。

…どうせさっきみたいな
鬼がきたら、
逃げられないんだし」

⏰:09/03/24 00:00 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#163 [イリア]


どうせ死ぬなら
今、死にたい。

私は貴方達には
殺されない。




…もう、
貴方達の思い通りには
ならないのよ。

⏰:09/03/24 00:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#164 [イリア]


頭の中で、美しい声が響いた。


いつか、どこかで、
誰かに言われた。


美しい人。
美しい唄。


⏰:09/03/24 00:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#165 [イリア]


ずっと前だった気もするし
つい最近のような気もする。





…誰だったかな?


⏰:09/03/24 00:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#166 [イリア]


猫「あんたを殺して、
それでおしまい。
そうしたい。簡単だ。

…ところが、
そうはいかない。」


七「え?」

⏰:09/03/24 00:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#167 [イリア]



黒猫さんは一瞬
私の目を見たあと、

空を仰ぎながら、喉を鳴らす。


⏰:09/03/24 00:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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