黒猫の棲むところ
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#160 [イリア]


狐「…七衣ちゃん…」


七「だって、話だけ聞くと、
雨原一族って何なんですか。
あっち行きこっち行き…

そんなの妖に憎まれたって
文句言えないですよ、ね?」

⏰:09/03/23 23:58 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#161 [イリア]



猫「…まったく、正論だ」


狐「うん、記憶がないとはいえ
雨原の匂いがする人間に
こんなこと言われると…
不思議な気持ちだねぇ」


⏰:09/03/23 23:58 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#162 [イリア]


七「…あはは
殺すなら、殺してくれて
かまいませんよ。

…どうせさっきみたいな
鬼がきたら、
逃げられないんだし」

⏰:09/03/24 00:00 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#163 [イリア]


どうせ死ぬなら
今、死にたい。

私は貴方達には
殺されない。




…もう、
貴方達の思い通りには
ならないのよ。

⏰:09/03/24 00:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#164 [イリア]


頭の中で、美しい声が響いた。


いつか、どこかで、
誰かに言われた。


美しい人。
美しい唄。


⏰:09/03/24 00:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#165 [イリア]


ずっと前だった気もするし
つい最近のような気もする。





…誰だったかな?


⏰:09/03/24 00:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#166 [イリア]


猫「あんたを殺して、
それでおしまい。
そうしたい。簡単だ。

…ところが、
そうはいかない。」


七「え?」

⏰:09/03/24 00:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#167 [イリア]



黒猫さんは一瞬
私の目を見たあと、

空を仰ぎながら、喉を鳴らす。


⏰:09/03/24 00:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#168 [イリア]




 その揺りかごが風に揺れて
 私は大きくなった


 私は風にさらわれて
 もうあなたは見えない―…


 雨の音 風の声 聴いて
 揺りかごを揺らして
 早く私を迎えにきて――……



⏰:09/03/24 00:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#169 [イリア]



美しい声


この声を聞きながら死ねたら
どれほど幸福なんだろう。
どれほどの痛みで
魂と躯(カラダ)は
別れを告げあうのだろう。


それにこの唄…
さっき私が歌った…?

⏰:09/03/24 00:10 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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