黒猫の棲むところ
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#301 [イリア]
猫「アハハハハハハ!!」
狐「ぎゃーはっはっはっ!!!
いいねーいいねー七衣ちゃん★
あ、ちなみに僕は
監督 兼 脚本家だから♪」
:09/03/25 13:16 :W61P :☆☆☆
#302 [イリア]
伏せていた目線を上げる。
黒猫さんはいつの間にか
私の前から横に移動してて、
麗さんともろに目があった。
:09/03/25 13:17 :W61P :☆☆☆
#303 [イリア]
麗「―…大道具……?」
七「…あ…はい、私演技とか…
やったことないし…」
猫「そう、大道具…クスッ
いいだろ?ちょうど
人出も足りてないし。」
:09/03/25 13:17 :W61P :☆☆☆
#304 [イリア]
麗「――……」
狼「何だ、大道具か。
どうりでオーラがないと思った。」
あ、何かこの人 素で失礼。
:09/03/25 13:18 :W61P :☆☆☆
#305 [イリア]
狼「しかし!猫!お前はいつから
大道具のスカウトマンになった??!!」
猫「フフン、こいつ記憶がないんだ
自分のこと、名前しか覚えてない」
七「あ、七衣です。」
:09/03/25 13:19 :W61P :☆☆☆
#306 [イリア]
狼「え、そんなわざわざ…
俺は狼だ。好きに呼んでくれ!!
―……じゃ、なく!!!!!!!!」
キ――ン…
この人、声大きいよ…
:09/03/25 13:19 :W61P :☆☆☆
#307 [イリア]
狼「だ、そうだ!麗!!
やはりこの劇団の
トップ女優はお前しかいない!!
当たり前だがなッ!!!!」
猫「どう?麗。
雨原だけど、よく
働いてくれるみたいだよ」
そんなこと一言も
言った覚えありませんけど。
:09/03/25 13:20 :W61P :☆☆☆
#308 [イリア]
麗「…でも…雨原…」
猫「俺たちもこいつも、
妖に嫌われてる点では同じだ。
面倒は俺が見る。」
:09/03/25 13:21 :W61P :☆☆☆
#309 [イリア]
狐「ほらほら!ネコくんが
ここまで言ってるんだし、
いいじゃない別に。
それに雨原一人抱えたところで
潰れるほど、
うちの劇団は弱くないよ♪」
:09/03/25 13:21 :W61P :☆☆☆
#310 [イリア]
みんなの視線が麗さんに
向けられる。
…色々あって、今初めて
ちゃんと顔見るけど…
綺麗な人だなぁ。
:09/03/25 13:22 :W61P :☆☆☆
#311 [イリア]
狼さんだって
黒猫さんとは違うタイプの
美男子だし。
この劇団には
美男美女しかいないのかな。
:09/03/25 13:23 :W61P :☆☆☆
#312 [イリア]
猫「――…麗?」
黒猫さんがまた
綺麗な声を響かせる。
―…みんなが演技してるとこ、
見てみたいな。
:09/03/25 13:24 :W61P :☆☆☆
#313 [イリア]
麗「――……ッッ!!
…好きにしろ………」
ザッ
そのまま私たちを追い越し、
麗さんは
林のほうに歩いて行く。
:09/03/25 13:24 :W61P :☆☆☆
#314 [イリア]
狼「おい!麗!待て!!
…それじゃあな、新入り!
そこの悪魔に喰われない用、
注意しろよ!!」
:09/03/25 13:25 :W61P :☆☆☆
#315 [イリア]
猫「何それ?俺のこと?」
狼「お前以外に誰がいる、この性悪。
ふっ、まぁいいさ。お前はせいぜい
この女のお守りでもしてるんだな。
次の舞台の主役は、
必ずや俺と麗が頂く!!!!!!」
:09/03/25 13:26 :W61P :☆☆☆
#316 [イリア]
そう言うと狼さんは
麗さんの後を追い
林の中に走って消えた。
:09/03/25 13:26 :W61P :☆☆☆
#317 [イリア]
猫「ほざいてろ、カス。」
黒猫さんがその言葉を
いい終わると同時に、
テントの中から
大きな拍手が聞こえた。
中から続々と人が出てくる。
:09/03/25 13:27 :W61P :☆☆☆
#318 [イリア]
「いやぁ凄かったね!」
「今日の麗ちゃん機嫌悪いから
気にしないほうがいいよっ」
「狼は相変わらず、
馬鹿だよな〜」
「ね〜本当に雨原一族なの〜?」
「大道具!おもしろ〜い///」
一斉にみんなが私に話しかけてきた。
:09/03/25 13:29 :W61P :☆☆☆
#319 [イリア]
七「え?え?…え?」
猫「…そんな一斉に
喋るなよ、話は聞いてたな?」
:09/03/25 13:30 :W61P :☆☆☆
#320 [イリア]
「聞いてた聞いてたっ★
僕らは別に、雨原一族
敵だとは思ってないしねー」
「裏切り上等☆
一緒に悪い妖を
退治しましょ♪」
予想外の反応に
思わず笑みがこぼれる。
:09/03/25 13:31 :W61P :☆☆☆
#321 [イリア]
狐「ね♪とりあえず、
雨原ってだけで
君を嫌いになるような人は、
ここにはいないよ☆」
七「…み、みなさん
半妖なんですか?」
「そーだよ〜ん♪」
:09/03/25 13:31 :W61P :☆☆☆
#322 [イリア]
:09/03/25 13:31 :W61P :☆☆☆
#323 [イリア]
狐「僕やネコくんみたいに、
動物の名前で呼ばれてる子もいるし
麗ちゃんみたいに
普通の名前で呼ばれる子もいる。
まぁそこら辺は適当だけど、
とりあえずみんな半妖なんだ」
:09/03/25 13:32 :W61P :☆☆☆
#324 [イリア]
難しい…
みんな動物名で呼ばれてるかと
思ってた。
あぁでも狐さんにしても
狐の半妖なんて
たくさんいるだろうし、
名前がなくて不便じゃないのかな?
…でも今は、そんなことより…
:09/03/25 13:34 :W61P :☆☆☆
#325 [イリア]
:09/03/25 13:34 :W61P :☆☆☆
#326 [イリア]
猫「…フン、まぁ人間は
あんただけだけど、
雨原一族なんて妖に近いもんだし
気にしなくていいんじゃない?」
慰めてるつもりなのか、
黒猫さんが私に言う。
:09/03/25 13:34 :W61P :☆☆☆
#327 [イリア]
狐「そうそう!
ぶっちゃけ能力一族なんか
見た目以外は妖だよね〜」
七「能力一族?」
:09/03/25 13:36 :W61P :☆☆☆
#328 [イリア]
狐「うん。あ、知らないか。
雨原一族みたいな
特殊な力を持つ一族のこと。
雨を呼べたりするなんて
もう普通の人間じゃないもんね〜」
:09/03/25 13:36 :W61P :☆☆☆
#329 [イリア]
「他にも炎を操れる火日谷一族や
風を操れる風宮一族なんかがあるよ」
―…なんか、改めて
凄い世界に
来ちゃったな。
:09/03/25 13:37 :W61P :☆☆☆
#330 [イリア]
狐「はいはいはい!」
パンパンパン
声に合わせて狐さんが
手を叩く。
:09/03/25 13:37 :W61P :☆☆☆
#331 [イリア]
狐「お喋りはそこまで!
みなさん明日が何の日かお忘れ?
…明日から一週間、この街で
講演するんでしょ!
練習しなくていいのかな?
それとも台詞(セリフ)全部
覚えたのかなあ…?」
:09/03/25 13:38 :W61P :☆☆☆
#332 [イリア]
全員「―…ッッ!!ま、まだ……汗」
狐「じゃあ、早く練習!
雨も上がった!!
10分後に裏テント前集合!」
全員「は、はい!団長!!」
:09/03/25 13:38 :W61P :☆☆☆
#333 [イリア]
その声と同時に
みんなバタバタと
テントの中に入っていく。
:09/03/25 13:39 :W61P :☆☆☆
#334 [イリア]
猫「フフン、あいつらに
覚えるような台詞、あったっけ?」
狐「君は本当に毒舌だねぇ。」
:09/03/25 13:39 :W61P :☆☆☆
#335 [イリア]
七「…狐さんて、
本当に団長だったんですねぇ…」
何気なく言った私の一言に
狐さんが泣きそうな声をあげる。
:09/03/25 13:40 :W61P :☆☆☆
#336 [イリア]
狐「七衣ちゃん?!
それ、どういう意味??!
僕、団長に見えない??!涙」
七「あ、ごめんなさいごめんなさい!
見えました!今、見えました!
―…ところで」
:09/03/25 13:41 :W61P :☆☆☆
#337 [イリア]
:09/03/25 13:42 :W61P :☆☆☆
#338 [イリア]
七「―…麗さん、戻ってきませんね。
狼さんも追いかけてったままだし…」
:09/03/25 13:42 :W61P :☆☆☆
#339 [イリア]
猫「フン、まぁあんたが
気にすることないよ、
麗は人間が嫌いなだけ。」
狐「そしてロウくんは、
麗ちゃんが好きなだけ。
大丈夫あの二人なら
明日の台詞も完璧だろうし、
もしさっきみたいな鬼が出ても
ロウくんがいれば何とでもなる」
:09/03/25 13:43 :W61P :☆☆☆
#340 [イリア]
七「…はぁ」
猫「ほら、それより狐。10分だ。
さっさと行け、来い七衣。
一通りテントの中説明しとく」
:09/03/25 13:44 :W61P :☆☆☆
#341 [イリア]
狐「あーはいはい。
そんなに僕が邪魔ですか。
いいもん、いいもん。
じゃあ後でね七衣ちゃん♪
気楽にね…これからは」
:09/03/25 13:44 :W61P :☆☆☆
#342 [イリア]
狐「…ここが君の、家なんだから。」
家…
狐さんのその一言に、
自然と顔がほころぶ。
:09/03/25 13:45 :W61P :☆☆☆
#343 [イリア]
狐「僕のことは兄だと思って
何でも相談してくれたまえ、妹よ!!」
猫「父の間違いじゃないの?
行くぞ、七衣」
:09/03/25 13:45 :W61P :☆☆☆
#344 [イリア]
:09/03/25 13:46 :W61P :☆☆☆
#345 [イリア]
:09/03/25 13:53 :W61P :☆☆☆
#346 [イリア]
:09/03/25 22:42 :W61P :☆☆☆
#347 [イリア]
赤く滑らかな布をめくり
黒猫さんがテントの中に入る。
私も後を追い、入ってみる。
七「―…うわぁ…」
:09/03/25 22:42 :W61P :☆☆☆
#348 [イリア]
見えたのは、本当にテントの中かと
疑いたくなるほど、広い空間。
ちゃんとたくさんの区切りもある。
:09/03/25 22:43 :W61P :☆☆☆
#349 [イリア]
七「――…広いんですね…」
猫「普通の家みたいだろ?
うちの劇団の大道具、
腕が良くてさ。
何でもできるんだよな。
ほら、この仕切り。
1人1人個室が与えられるんだ。」
:09/03/25 22:43 :W61P :☆☆☆
#350 [イリア]
コンコン…
黒猫さんが、仕切りを軽く叩く。
廊下のようなものがあり
左右に扉が見える。
七「―…移動劇団、でしたよね…?」
:09/03/25 22:44 :W61P :☆☆☆
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