黒猫の棲むところ
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#349 [イリア]
七「――…広いんですね…」
猫「普通の家みたいだろ?
うちの劇団の大道具、
腕が良くてさ。
何でもできるんだよな。
ほら、この仕切り。
1人1人個室が与えられるんだ。」
:09/03/25 22:43 :W61P :☆☆☆
#350 [イリア]
コンコン…
黒猫さんが、仕切りを軽く叩く。
廊下のようなものがあり
左右に扉が見える。
七「―…移動劇団、でしたよね…?」
:09/03/25 22:44 :W61P :☆☆☆
#351 [イリア]
猫「そう、滞在期間は
短くて一週間。
長くて一月くらいかな。
同じとこにずっといるのは」
危険だし。」
七「…毎回こんな
ばかでっかい
テント建てるんですか?」
:09/03/25 22:45 :W61P :☆☆☆
#352 [イリア]
猫「建てなきゃ、寝るとこないけど?」
黒猫さんがクスッと笑う。
:09/03/25 22:45 :W61P :☆☆☆
#353 [イリア]
猫「…って、言っても
俺たち役者はノータッチだけどな。
大体は稽古してる間に、
大道具の奴らが建てる。」
七「―…大道具…」
猫「あんたも次から、頑張って?」
黒猫さんがまた笑う。
:09/03/25 22:46 :W61P :☆☆☆
#354 [イリア]
…てか、無理でしょ!
だってもうテントじゃないもん!
家だよ、家!!
こんなの移動するたびに
建ててる大道具の人って一体……
:09/03/25 22:47 :W61P :☆☆☆
#355 [イリア]
猫「そうそう、
アスタリスク劇団はあんた入れて56人。
そのうち15人が役者で
12人が役者のマネージャー。
んで、狐が監督 兼 脚本家。
後はみんな大道具だけど、
男ばっかだから気をつけろよ」
:09/03/25 22:47 :W61P :☆☆☆
#356 [イリア]
―…いや、男ばっかって!
力仕事だからな〜と言う
黒猫さんの声が聞こえる。
何で私スカウトされたんだろ?
力とかないんですけど…
しかも、男の人ばっかって…
:09/03/25 22:48 :W61P :☆☆☆
#357 [イリア]
無意識に半泣きになった私を見て
黒猫さんが目を細める。
猫「―…ねぇ、七衣?」
七「え?あ、はい?」
:09/03/25 22:48 :W61P :☆☆☆
#358 [イリア]
少し上を見上げ、
黒猫さんと目を合わせる。
猫「…大道具って、大変だと思わない?
女の子がする仕事じゃないよ」
:09/03/25 22:48 :W61P :☆☆☆
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