黒猫の棲むところ
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#68 [イリア]
刃が見えた。
鋭く尖った、銀色の。
ただ真っ直ぐに
私に向かってくる。
「―……イヤッッ!!!!」
目を、閉じた。
:09/03/22 15:45 :W61P :☆☆☆
#69 [イリア]
キーン―…
――……?
痛くない…
金属と金属がぶつかる音。
恐る恐る目を開くと、
私のすぐ前に誰かの背中が見えた。
:09/03/22 18:28 :W61P :☆☆☆
#70 [イリア]
私に向けられていた刃は
その人の持つ刃と交差(コウサ)し
動けないようだ。
「キャッ!」
目の前にいる人が、
私の腕を引っ張る。
:09/03/22 18:28 :W61P :☆☆☆
#71 [イリア]
少年?
青年?
「―…誰?」
「――…ッッ!!お前は!!
アスタリスクの――ッッ!!」
私の傍(ソバ)で、
さっきの低い声がする。
:09/03/22 18:29 :W61P :☆☆☆
#72 [イリア]
「…へぇ、俺を知ってるの?
劇団の常連さんかな…」
その人はクスッと笑い、言葉を続ける。
「でも、お客様。
マナーがなっていませんね、
俺と会話がしたいときは」
:09/03/22 18:29 :W61P :☆☆☆
#73 [イリア]
ザッ
刃の矛先を変える。
私のすぐ横に。
「あっ危なッ!!
何するんです―…」
「ギャアアアア!!!!!」
「…え?」
:09/03/22 18:29 :W61P :☆☆☆
#74 [イリア]
「…姿を見せてくれないと。
アンフェアは嫌いなんだ。
特に、俺が不利になることなんて。」
:09/03/22 18:30 :W61P :☆☆☆
#75 [イリア]
横を見ると、
刃に貫かれ左腕から血を流す……
「…え…鬼ッ…?」
そこにいたのは、
人間ではなかった。
鬼のような…
そういえばさっきこいつ、
妖がどうのこうのって……
:09/03/22 18:30 :W61P :☆☆☆
#76 [イリア]
「ウウウ…アスタリスクの…
まさかこんなところに…」
「鬼か…人間を襲う妖なんて
俺たちの舞台の客に相応しくない」
:09/03/22 18:31 :W61P :☆☆☆
#77 [イリア]
舞台?客?何の話…?
「…クッ…アスタリスクッッ!!!!!」
目の前の鬼が叫ぶ。
:09/03/22 18:33 :W61P :☆☆☆
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