BLUE LETTERS
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#6 [我輩は匿名である]
その日も、僕は遅れを取り戻そうと金にならない残業をこなしていた。みんなが帰宅した後のオフィスはだだっぴろくて物音ひとつない。何度目かのため息を洩らしたあと、ふいに携帯電話の着信音が鳴り響いた。
:09/03/28 23:55
:SO903i
:☆☆☆
#7 [我輩は匿名である]
僕はその電話を、少しの動揺もなくごく自然にとった。
:09/03/28 23:57
:SO903i
:☆☆☆
#8 [我輩は匿名である]
「仕事中に電話をしてくるなって何度も言ったろ」
なんて憎まれ口をたたいても、久々の愛しい人からの連絡に僕の口角はすっかり弛みきっていて自然と笑い声になる。
:09/03/29 00:00
:SO903i
:☆☆☆
#9 [我輩は匿名である]
受話器越しに弾けるような智子の笑い声に疲れなど吹っ飛んだ。
魔法のような人。
魔法のような優しい時間。
:09/03/29 00:03
:SO903i
:☆☆☆
#10 [我輩は匿名である]
脈絡も、とりとめもない会話がこんなに愛しいものだったなんて思いもしなかった。
智子の笑い声が、
遠くに聞こえている。
:09/03/29 00:06
:SO903i
:☆☆☆
#11 [我輩は匿名である]
「智子」
なあに
声色で智子の表情や仕草が伝わってくる。
:09/03/29 00:08
:SO903i
:☆☆☆
#12 [我輩は匿名である]
「そっちの天気はどうだい。もう慣れたかい」
とっても良い天気よ。あったかくて過ごし易いわ。昨日も今日も明日もずっと晴れ。
「そうなのかい?良かったじゃないか。智子は寒がりだから心配してたんだ」
:09/03/29 00:11
:SO903i
:☆☆☆
#13 [我輩は匿名である]
そう僕が言うと智子は笑う。
彼女の幸せそうな声色に抑えこんでいた僕の感情が弾けた気がした。
:09/03/29 00:14
:SO903i
:☆☆☆
#14 [我輩は匿名である]
ねえ雅昭さん。
「…なに…?」
愛してる。
ずっと、ずぅっと、よ。
:09/03/29 00:16
:SO903i
:☆☆☆
#15 [我輩は匿名である]
そう智子が告げるなり、電話は壊れたようにぷつりと途絶えた。
:09/03/29 00:17
:SO903i
:☆☆☆
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