BLUE LETTERS
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#46 [我輩は匿名である]
 

「ばか。なんでお前が泣くんだ」


そう優しく言ったのは榊原だった。

 

⏰:09/05/20 02:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#47 [我輩は匿名である]
 
言われてはっとした。

慌てて上田はブレザーの袖で涙を拭うが、後から後から。

 

⏰:09/05/20 02:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#48 [我輩は匿名である]
 
感情が溢れるように、後悔の念が上田を満たしていった。

ずっと。

ずっと、ずっと。

榊原に謝りたかった。

 

⏰:09/05/20 02:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#49 [我輩は匿名である]
 
今、はじめて榊原は上田に弱音を吐いた。

悔しかった。

榊原はずっと孤独だったのに。

 

⏰:09/05/20 02:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#50 [我輩は匿名である]
 

それを上田は知っていた。
知っていて知らないふりをしていた。

なんでも話せるふたりだったのに。

お互いが宝物だったのに。
 

⏰:09/05/20 02:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#51 [我輩は匿名である]
 
――榊原はたいへんに優秀だった。
医者の家系でもともと頭がよかったのもあるが、彼自身も真面目で努力家だった。
そんな彼の人柄もあってか、3年の夏まで榊原は野球部の主将をつとめる程に周囲からの信頼も厚かった。 

⏰:09/05/20 02:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#52 [我輩は匿名である]
 

大好きだった野球に全力を注ぎながら勉学も両立させていた榊原。

 

⏰:09/05/20 02:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#53 [我輩は匿名である]
 
しかしそんな彼が野球を失った瞬間、調子を崩した。
体も、勉学も。
 

⏰:09/05/20 02:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#54 [我輩は匿名である]
 
――もっと、もっと。

榊原の心の声に耳を澄ましていればよかったのだ。

そうすれば、ふたりは、
こんなに離れずにすんだのかもしれないのに。
榊原は、こんな笑いかたをしなかったかもしれないのに。
 

⏰:09/05/20 02:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#55 [我輩は匿名である]
 
あの頃。

すれ違いが多くなりはじめた頃。

どこにいても、
なにをしていても、
いつかの夏の榊原をどこか探していた。
 

⏰:09/05/20 02:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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