BLUE LETTERS
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#11 [我輩は匿名である]
 

「智子」

なあに


声色で智子の表情や仕草が伝わってくる。

 

⏰:09/03/29 00:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#12 [我輩は匿名である]
 

「そっちの天気はどうだい。もう慣れたかい」


とっても良い天気よ。あったかくて過ごし易いわ。昨日も今日も明日もずっと晴れ。


「そうなのかい?良かったじゃないか。智子は寒がりだから心配してたんだ」
 

⏰:09/03/29 00:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#13 [我輩は匿名である]
 

そう僕が言うと智子は笑う。
彼女の幸せそうな声色に抑えこんでいた僕の感情が弾けた気がした。

 

⏰:09/03/29 00:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#14 [我輩は匿名である]
 

ねえ雅昭さん。


「…なに…?」


愛してる。
ずっと、ずぅっと、よ。

 

⏰:09/03/29 00:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#15 [我輩は匿名である]
 


そう智子が告げるなり、電話は壊れたようにぷつりと途絶えた。


 

⏰:09/03/29 00:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#16 [我輩は匿名である]
 
闇に、
僕はまた独りになってしまった。


「…僕も」


涙よ止まれ。


「ずっとだ。ずっと愛してる」

 

⏰:09/03/29 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#17 [我輩は匿名である]
 

電話が終わったあと僕は涙を禁じ得なかった。

涙などとうに枯れていると思っていたけれど。


あの夜―智子の葬式の夜に。


 

⏰:09/03/29 00:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#18 [我輩は匿名である]
 

僕は静になった携帯電話を掌に乗せ、もう一度見やった。

先刻まで確かに智子と私が繋がっていたと確信させるようにそれはあたたかい。
 

⏰:09/03/29 00:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#19 [我輩は匿名である]
 


愛しくて、悲しい電話だった。

僕の胸はざわめいた。切なさと、ほんの少しの幸せを僕に残したままに。


 

⏰:09/03/29 00:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#20 [我輩は匿名である]
 

僕と智子を繋いだ電話。


一週間前に事故で死んだ妻からの。

最期の、愛してる。


 

⏰:09/03/29 00:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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