BLUE LETTERS
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#171 [我輩は匿名である]
 


二人で暮らしたこの部屋に独りきりで佇んでいた。


「好き…」


言葉にすれば、

笑えてくるほど簡単な事で

 

⏰:09/09/27 00:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#172 [我輩は匿名である]
 

「…、…すきだったよ」


言葉が浮かばないのならば、寄り添えば良かった。

壊れた玩具みたいに止まらない涙ばかり拭うこの掌で彼を抱きしめればよかった。

 

⏰:09/09/27 00:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#173 [我輩は匿名である]
 


私の掌にはアイスブルーのピアスが片方だけ残った。

 

⏰:09/09/27 00:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#174 [我輩は匿名である]
 

ここにはかえらない彼は、

こことは違うどこかで笑っているのだろうか。


 

⏰:09/09/27 00:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#175 [我輩は匿名である]
 
片耳の石を無くした事に気付かなかった。
そんなふうに、私達は私達の恋をなくしてしまった。
片方だけのピアスなんて、もう付けられないではないか。
そんなのは、"無い"のと同じだ。

 

⏰:09/09/27 00:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#176 [我輩は匿名である]
 


ピアスは片方だけがなくなる。

何時だってそう。


 

⏰:09/09/27 00:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#177 [我輩は匿名である]
 


------------


 

⏰:09/09/27 00:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#178 [我輩は匿名である]
 
最後に見た彼女は、泣くわけでもなく憤るわけでもなく。
ただ宙をぼんやり見つめていた。(もともと、あまり感情を表情や行動に出さない人ではあったけれど)

彼女はひたすらに沈黙を守り立ち上がった僕を、その瞳に映そうともしなかった。

 

⏰:09/09/27 00:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#179 [我輩は匿名である]
 

アイスブルーのピアスは僕の掌で少し毒毒しい程に煌めいていた。

 

⏰:09/09/27 00:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#180 [我輩は匿名である]
 

――僕は愚かだった。

こんな事をして彼女の気持ちを試すより、この掌で彼女を抱き寄せればよかった。

抱きしめて閉じこめて、そして…言ってしまえばよかったのだ。

たった一言、

 

⏰:09/09/27 00:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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