ダブルパラダイス

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それではスタート！
o(^∇^o)(o^∇^)o

『あかね－！！！！』

私の名前を呼ぶ声が窓から聞こえてきた。

『は－いよ－』

カーテンを開け窓を開けた。

『はやく－！！』
『遅れるぅ！』

家の前にいたのは私の幼なじみたちの優花、美帆だった。

幼小中と同じだったので高校も同じ所を受験し無事３人共合格した。

私達が通う高校は電車で３０分離れた所にある。

初めての電車通学にドキドキしながら学校に向かう。

近くにたくさん高校があり電車内は学生でいっぱいだった。

『おわぁぁぁ…』
『美帆…がんばれ…』
『いだ…ぃぃ』

通勤ラッシュにあたりおしつぶされる私達。

『品のねぇ声だよな』
『こっちむけこっち！』

後ろから男の声が耳にはいってきた。

その声に気付いた美帆がそちらに顔を向けた。

美帆の目線の先には今時珍しい学ランをきた二人組の男がいた。

『ぶはっ！』
『ばっか！！』

美帆と目を合わせるなり笑いを堪える声が聞こえる。

美帆の容姿は女の中ではぽっちゃり。男の中ではデブ部類に入ってしまうのかもしれない。

美帆の耳ににも入り周りもクスクスと笑い声を漏らし始めた。

それに気付いた優花が睨み付け二人組から目を離そうとしなかった。

優花はうつむく美帆の顔を自分の胸の中に優しくそっと入れ頭を撫でた。

『笑ってんぢゃねぇよ！くそどもが！！』

満員電車の中で優花の声が響きわたった。

『ちょっと…ゆう！やめてよぉ……あかねぇ…』

半泣きの美帆が私に助けを求め裾をひっぱる仕草をしてきた。

完全に戦闘モード。
オーラでいえばレインボークラスな優花ちゃんだったので…

『入学式』

私のこの一言で優花は穏やかな顔に戻り美帆の手をしっかり握りしめたのだ。

『すごぉい…』

美帆が私を見る目はキラキラ。しかし周りの視線は痛かった。

美帆→怯える子猫
優花→守る母猫
私→飼い主

という感じに見えただろう………。

そんなこんなで降りる駅に着いたのだ。

高校には駅からあるいて５分の所にある共学私立高校。

私立というだけあってかなりでかい。駅からも見えるくらいだ。

『んとにさぁ！高校ではきちんとしなさいよね！』

『あぶなかったぁ！気をつけるよ♪』

実は優花は元ヤンで高校では猫かぶりの予定。その言葉を苦笑いで私達二人は聞き流した。