こいごころ
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#1 [向日葵] 09/04/10 00:20
#918 [向日葵]
それに。
「私がいるんだから、負けたりしないでしょ?」
そう言うと、宗助はなんとも言えない顔になった。
驚いたような、困ったような……。
しまった、と茉里は思った。
宗助は試合前などはこういうカップルらしいことを好まない。
実際、付き合う前、気が散るからやめてくれと言われた。
ああ、自分の馬鹿……。
なにもこんな時にこんな雰囲気になるこてないじゃない……。
宗助ははっと試合場を見ると、隅に片付けておいた面と竹刀を出し、つけ始めた。
もうすぐ試合だとわかれば、茉里は冊子を見て、袋から赤のたすきを出し、背中で交差してる部分の胴紐につけた。
:11/09/24 21:00 :P04C :☆☆☆
#919 [向日葵]
:11/10/01 19:21 :P04C :☆☆☆
#920 [向日葵]
あのままの会話で終わるとか、すごく気まずいんですけど……。
心の中で、茉里は肩を落とす。
面をつけ終えた宗助は、ウォーミングアップをかねて、小さく数回ジャンプする。
「宗助!」
面をつけている宗助にききやすいよう、ほぼ叫ぶように宗助に話しかける。
宗助は気づいて、茉里のほうに首を動かせた。
なにも言わず、茉里の言葉を待つ。
「さっきのこと忘れて!ごめん、くだらないこと言って!」
「なんで?忘れないよ、おれは」
え?
「茉里がいるから力が出るのは、当たり前だろ?」
「だって宗助、前……っ!」
:11/10/08 12:45 :P04C :☆☆☆
#921 [向日葵]
言いかけると、小手をはめた手で、宗助は茉里の額を軽く小突く。
「今と前じゃ、関係が違うだろ」
前は仮彼女だった茉里。
今は、本当の……。
意味を理解して赤くなる前に、言った張本人の宗助が赤くなっていた。
「ごめ……、さすがになんか、クサかったと言うか……」
「宗助さ、私に恥ずかしがる基準がわからないとか言ってたけど、宗助も大概だからね」
「うるさい……」
宗助がなにかに気づいたように、試合場を見る。
そしてさっきよりも表情を硬くして、茉里のほうを向いた。
「じゃあ行ってくる」
:11/10/08 12:45 :P04C :☆☆☆
#922 [向日葵]
「うん!力一杯応援する。そしたら宗助、勝ってくれるんでしょ?」
「ああそうだな。それが―――」
宗助が茉里の頭をポンポンと撫でて、眩しいくらいの笑顔を向ける。
「恋心ってやつだろ」
宗助はそれだけ言って行ってしまった。
茉里はさっきの宗助の笑顔や言葉で、目を見開いて顔が赤くなったまま固まった。
が、そんなことしてる場合じゃないと、すぐにスコアと、宗助の竹刀袋を持って、空いている場所に応援として座りに行く。
ああもう、まったく。
こんな大事な時まで厄介だ。
心はいつも自分の意に反して行動する。
思い通りになんかなったことがない。
:11/10/08 12:46 :P04C :☆☆☆
#923 [向日葵]
特に―――――――
―――――恋心というやつは。
:11/10/08 12:46 :P04C :☆☆☆
#924 [向日葵]
宗助の試合が始まる。
始まる時に、応援の意味をこめ、数回拍手をする茉里の左手には、いつかの面紐がミサンガのようにつけられていた。
宗助、がんばれ!!
茉里と宗助の物語はまだ始まったばかり。
二人がこれからどんな風に心に振り回されるかは…………
……それはまたのお楽しみ。
こいごころ
―fin―
:11/10/08 12:47 :P04C :☆☆☆
#925 [向日葵]
○あとがき○
これにて、こいごころ終わらせて頂きます!
最後まで読んで下さった皆様、誤字脱字が多々あったりと読みにくい部分があったかと思いますが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
よければ感想板に感想を書いて頂くと嬉しいです(●´∀`●)
では、向日葵でした!
ありがとうございました!!
:11/10/08 12:47 :P04C :☆☆☆
#926 [向日葵]
:11/10/08 12:48 :P04C :☆☆☆
#927 [向日葵]
:11/10/08 12:48 :P04C :☆☆☆
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