人間
最新 最初 全 
#1 [椿] 09/05/16 14:21
僕は、人間が嫌い。いや、苦手なのかな。
とにかく僕は早く人生が終ってほしいと願った。
#10 [椿]
ある日、僕は自分だけで悩むのに疲れ、学園の友達に聞いてみた。
「なんで人間は生きているんだろうな。いつか死ぬのに。」
「う〜ん。大切な人のためじゃないか?」
・・・ッ!!
僕は落胆した。たとえ大切な人がいてもどちらかが死んでしまう!
そんなの悲しいだけじゃないか!!
僕はそう思いながらも
「そうだよな(笑)」
と相槌をうった。
:09/05/16 15:14
:SH905i
:☆☆☆
#11 [椿]
他の友達にも同じ質問をしてみた。
同じような返答が返ってきた。
僕ははぁ〜っと小さく溜息をついた。
何人かに聞いてみたが同じだった。
僕は恋人をつくる気はあるし、性行為にも興味があるしかし、僕は人を幸せにはできない。
こんなにも人生を見下しているのだから。
:09/05/16 15:21
:SH905i
:☆☆☆
#12 [椿]
その日から僕は夢に逃げるようになった。
家に帰ってきて、お風呂に入り、すぐに寝る。
夢の中だけが僕を幸せにしてた。
ある日僕はニュースで通り魔の事件を見ていた。
キャスターが事件内容を話し、事件直後の映像が流れた。
それを見て僕は驚いた。
怪我をして倒れてる人がいてその手当てをしてる人が数人。
後の人達はその人達を囲むようにみている。
(なんだよこれ!?)
:09/05/16 15:30
:SH905i
:☆☆☆
#13 [椿]
よく見ると遠巻きの人達の中には携帯を怪我してる人に向けている。
(撮影しているのか!?そういえば、この映像もおかしい。怪我して苦しんでいるのに撮影している。)
僕は怒りではなく哀しみを感じた。
僕みたいのは別として、生きたいと思っている人がいるはずなのに。
こんなにも大勢の人がいるのに助ける人は数人なのか。
(こんな世界はいらないな。)
そうゆう想いで埋めつくされながら寝た。
:09/05/16 15:39
:SH905i
:☆☆☆
#14 [椿]
その日の夢はいつもとは違った。
本当にここにいるのではないかと思える。言葉もハッキリ聞こえる。でも背景は全て灰色だ。
僕はとりあえず歩いた。
「不思議かい?」
僕はビクッとして振り返った。
そこには男とも女とも見られる中性的な人が足をぶらつかせながら椅子に座ってた。
:09/05/16 15:50
:SH905i
:☆☆☆
#15 [椿]
ニコニコしながら僕の事を見ている。
「誰?」
僕は少し身構えながら聞いた。
「僕?僕は君だよ」
相変わらずニコニコしながら答えた。
「??」
訳がわからない。
「う〜んとね。ここは君の精神の世界なんだよ」
そいつは、よっとと言いながら椅子から飛び、こちらに歩きながら言った。
「僕の精神の世界・・・」
:09/05/16 16:05
:SH905i
:☆☆☆
#16 [椿]
僕はソイツを見ながら言った。
「そう。因みに僕の事は柊って呼んでくれよ」
そう言って笑いながら自分を指さした。
「なんで、僕なのに名前を付けてるんだよ」
柊「それはね。さっき僕は君だって言ったけど根本的には違うからね。僕は君の精神で生まれたもう一人の君ってわけ」
またニコニコとしながら話した。
「そう。ところでなんで僕はここにいるの?」
:09/05/16 16:19
:SH905i
:☆☆☆
#17 [椿]
そうゆうと柊はニヤッとして
柊「それはね。君が望んだからだよ。君は人間を見下しているよね。死ぬのになぜ生きるの?どうして人を助けないの?なぜ、人が死んだのと動物が死んだのでは受け捉らえ方が違うの?てね。君はいつも思っている」
「・・・」
僕は下を向き黙って聞いた。
柊「それに君は死にたいと思っているのに死ねない。存在自体が消えればいいと思っている。そういった心のストレスが僕をつくり、君を精神の世界に閉じ込めた」
言い終わると柊は歩き出した。
柊「ついて来て」
:09/05/16 16:32
:SH905i
:☆☆☆
#18 [椿]
僕は早歩きで柊の横に行った。
柊「君に見せたいものがある」
「見せたいもの?それにどこに行くの?」
柊「この世界の全容だよ」
僕は柊と歩いていった。
特に誰とあったとでもなくなにかあったとでもなかった。
柊「さあ、着いたよ。この扉を開ければこの世界がわかるよ。準備はいい?」
「待って。どうして僕にそんなこと教えようとするの?僕は別にこのままでいいのに」
そう言って僕は俯いた。
柊「・・・本当に?」
:09/05/16 16:51
:SH905i
:☆☆☆
#19 [椿]
「・・・」
違う。僕は
柊「君は生きていたいと心の片隅で思っている。でも人生をリタイアしたいとも願っている。答えがほしいんだろ?」
柊は、僕の顔を覗き込みながら言う。
「・・・ッ」
僕は柊から顔をそらした。自分自身に腹がたつ。
柊「はぁ〜。じゃあ扉を開けるね」
ガチャ。
扉の向こうは暗闇だった。
:09/05/17 10:02
:SH905i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194