|| DEATH † LIFE ||
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#1 [遥] 09/08/03 14:46
 
私の名前は遥(ハルカ)。

遥彼方を、幸せな未来を、どこまでも見渡せるようにと、付けられた名前。

幸せな未来を…。それは名前の由来に限らず、誰もが生まれながらにして持っている権利。

私はその両方を持っていた。


持って…いた。


【http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4502/】

#66 [遥]
 
「よく1年間も眠れるね、俺なんか眠り方を忘れたよ」

……何を言っているの、この口…てか"人"の?

「人じゃない、俺は人間の世界で言う、"死神"ってやつ」


死神?

…そっか、これ夢なんだ。自殺したのはこの夢の中で、私まだ死んでないんだ。

⏰:09/08/30 17:24 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#67 [遥]
 
じゃあ起きたらまた、いつものように学校に行って、いつものように皆とくだらない話しをして、いつものように…



「死んだよ」


………。


「クスッ…何だハルカ、今更そんな反応して…未練でもあったの?」

⏰:09/08/30 17:25 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#68 [遥]
 
未練…?そんなもの、あるわけない。

「なら何?死んだって言われた時の、あの絶望感溢れる顔は?」

目が私を見下すように見る。口が私を嘲笑うように攻め立てる。

……何なの?

何で私は死んでまで、こんな気持ちにならなくちゃいけないの?

⏰:09/08/30 17:27 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#69 [遥]
 

「あれ?ハルカまだ声出せないの?いい加減、俺が疲れるんだけど…ほら、喋ってみなよ」

喋るって…そういえばさっきからこの目と口、私が声に出してないのに応えてる。

でも、声の出し方が分からない…。

「無理?…いいよ、出さしてあげる…」

⏰:09/08/30 17:30 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#70 [遥]
 
口が、ニヤっと笑った。

次の瞬間、目と口は闇に溶けるように消えた。

そして代わりに、細く白い腕が現れ、私の首をゆっくり掴んだ。

闇の中で私は身動きをとることも出来ず、何をされているのかも分からない状態のまま……

⏰:09/08/30 17:40 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#71 [遥]
 

「!?…あ゙…っ、ゥ゙……ァ…」

喉に激しい痛みが生じた。

喉の、中を…掻き回されているような、苦くて、熱い…。

それのせいか、僅かでも声が出た。

「ア……ゃ゙…め…ッグ………もっ…イィ…」

この白い腕を引きはがしたいのに、自分の手の感覚すらわからなくて…私はただ苦痛みに耐える。

⏰:09/08/30 17:51 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#72 [遥]
 

「あ、声出たね」

さっきの口の声がして、白い腕が私の首から離れ、それもまた闇に消えた。

「ハァッハァッ…あ…なた…"何"?」

今度は現れない身体のパーツ達に、分かっている答えをもう一度聞く。

「じゃあさ、ハルカは"何"?」

⏰:09/08/30 18:01 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#73 [遥]
 
私は…何?


「私は……ゅ、幽霊…カナ?」

自信なさ気に、でも1番自分では納得できる答えを言うと…


「フッ…」

「なっ、何その反応?」

自称死神は、失礼にも私の答えを鼻で笑った…。

⏰:09/09/03 13:19 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#74 [遥]
 
「ふーん、幽霊ね…面白い、クククッ」

死神の笑いのツボがよく分からない。Ghostって言っても笑うのかな?

「どうでもいいけど…姿くらい現してよ、もしくは場所を移動させてほしいな…」

しつこく笑われて不愉快な気分の私は、話しを変えようと、とりあえずこの身動きできない状態を何とかしてほしいと頼んだ。

⏰:09/09/03 13:20 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#75 [遥]
 
「ああ、そうだね、ハルカも起きたことだし家に帰ろうか」


「………」


家に、帰る?


死神って名乗ったり、身体のパーツ外れたり、私の首絞めたり(?)、幽霊がツボだったり…家って何?

何この不可思議な展開?夢としか思えないんだけど。

⏰:09/09/03 13:22 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


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