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#1 [鉗] 09/08/22 23:14
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感想板です

どうも鉗(かなぎ)と言います。
亀更新ですが……よろしくお願いします。

#2 [鉗]
春。進学、入学から一ヶ月私立時雨高等学園に、ある教室の扉の前に一人の生徒が立っていた。

(とうとう来ちゃったよ…)
高鳴る心臓。
漫画研究部、略称漫研。
どんな部活なのか、小柄な少女に背負いきれない程の緊張と不安が募る。

「穂波先生は"総攻め"しか受け付けませーん」
「何言ってんだよ! ほなみん"総受け"だ!! 特に南×穂(ナンホ)なんて最高のカプじゃねぇ? 萌え通り越して鼻血で多出血で死ねる!!」

⏰:09/08/22 23:31 📱:W62K 🆔:ZZukR4pI


#3 [鉗]
扉から聞こえた叫び声に、突然の出来事に肩を跳ね上げて驚く少女。
そして扉から一歩身を退いた頃には、その叫び声は静まった。
(そううけ?……そうせめ?)
小柄な少女は先程の叫び声の中にあった聞き慣れぬ単語に顔をしかめる。

知らなくて当然だ、少女は腐女子ではないからだ。

受けとは、簡単に言うと女側。攻めの対義語であり、攻めは男側。
それに総合の総が付いた物が"総受け""総攻め"なのだ。

NL(ノーマルラブ)は殆ど受け攻め固定されているので、討論にはならないがBL(ボーイズラブ)はそうはいかない。
受け攻めとは彼女らの一つの思想なのだから。

(どうしよう…入りたいけど入れない……)
叫び声にすっかり怯えたのか、扉を開けるか開けないかためらう小柄な少女。
アーモンド型の黒い双貌は、不安色に染まっていた。

⏰:09/08/22 23:53 📱:W62K 🆔:ZZukR4pI


#4 [鉗]
「どちらさま?」
しばらく入るか悩んでいると。
叫び声とは違う声の主が扉を開けて、少女と目が合った。

くせ毛の黒い長髪とタレ目で、さらに声の主の穏和な性格をかもし出していた。
「あのー入部したいんだけど、中に入りづらくて」
「あはは、そうだよねぇーいきなり叫ぶから、引いちゃうよね」
「うん。私びっくりしちゃった」

少女は声の主と話しているうちに積もっていた重苦しい、負の感情が吹き飛んでいた。

声の主はきっと、マイナスイオンかα波が放たれているに違いない。

「正実(マサミ)誰と話してるの?」
総受けと主張した声が、正実と呼ばれた声の主から聞こえた。
「新入部員さんだよ」
顔だけ振り返った正実は、そう返す。

「新入部員?! その子BL好きか聞いてきてー」
今度は、総攻めと主張した声が正実に問う。
恐らく、新入部員こと少女と好きなカップリングと語り合いたいのであろう。

「あ、名前は?」
「守沢尚子(モリサワナオコ)」
再び少し低いタレ目と目が合った少女は、そう名乗った
「私は、白木正実(シラキマサミ)呼び捨てで良いよ。じゃあ、単刀直入で聞くけど…尚子ってBL好き?」

⏰:09/08/23 00:36 📱:W62K 🆔:wwHWOFLI


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