―‥ 殺したいほどに ※BL
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#301 [雪]

下と同じような作りで
小さな丸テーブルが数個
その真ん中にはこれまた小さな花瓶

5、6人が座れるカウンター
その向こうにエスプレッソマシーン

「‥っはぁー」

"アレ"が花‥ねぇ

ギャップってやつか?
あまりにも似合わなすぎて鼻で笑った


「どう?いーだろ?」

「んわっ!」

⏰:10/12/17 21:22 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#302 [雪]

ぬっと真横に飛び出してきた髭面
煙草の臭いが鼻につく


「んな驚くことなかろーに」

どこか余裕そうで
羨ましくもあり、憎たらしくもあり

「羨ましいなぁー美男子」

ばふっと頭を掴まれて
ガシガシっと撫でられた

⏰:10/12/17 21:28 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#303 [雪]

「んな゙ぁー」

やめろと無理やり手を払いのける
調子よすぎて‥疲れるわ


改めてよく見ると
この人こそ美男子の面影あり

髭と、もさったい髪さえなければ
爽やかな部類なのかもしれない


何となくわざと
それで隠してる気もする

⏰:10/12/17 21:35 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#304 [雪]

「客来るんすか?ココ」

目立つようなとこにはなく
駅から近いわけでもなく
この辺を毎日のように歩き回ってるような
マニアックな人間しか気付かなそうな場所


「あぁー‥2、3匹くらい」

手慣れた手つきで紅茶を入れ
レモンかミルクかと問う

「ミルク‥。匹って?」

「ミルクー‥あ、これ客用」

⏰:10/12/20 13:28 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#305 [雪]

浅い皿に入った牛乳
並々と注がれゆらゆらと揺れている


「‥」

ふと窓の外に目をやる
暗い朱色の屋根に黒、白、ミケ

ミケ‥?

「客‥って」

「黒が小豆、白が大福、ミケがランジェロ」

⏰:10/12/20 13:34 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#306 [雪]

突っ込みどころがありすぎて
どこから行くべきか戸惑う

逆に突っ込まなくていいかなとも思う


「ランジェロって何(笑)」

もはや笑うしかない、俺、お疲れ

"ミケ・ランジェロ♪"
案の定な答えが返ってくる

なぜか誇らしげな店長
いわゆる"どや顔"

⏰:10/12/20 13:37 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#307 [雪]

「人は?人」

窓を開けて仕方なく客にミルクを差し出す
まだ奴らはチビで、飲み方がぎこちない

「人もー‥平均2、3」

「それでやっていけんの?」

「無理(笑)
だから美男子を雇ったわけよー」

休日は10人くらい来る
買う人は半分くらいかなーと
その余裕は一体どこから?

⏰:10/12/20 13:42 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#308 [雪]

プレッシャーだ

人が来なきゃ給料だってないだろ
人呼ぶのは俺の役目みたいな雰囲気だし

「宣伝とかすりゃーいいのに」

「宣伝?んー‥副店長に任せる」

「って、」

「冴島に任せる」

なぜか終始幸せそうに笑って
だけどどこか悲しそうな目をしてる

余計なお世話かもしれないけど
病気がちな感じ。痩せてる

⏰:10/12/20 13:47 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#309 [雪]

夢を追い求めたって
くたばったら意味ないだろー‥

「嫁さんとかいないんすか?」

ミルクティはうまかった
猫舌にも丁度良い、飲み頃

「ペケイチ」

両方人差し指をクロスさせて、また笑う

「ペケ?」

口を塞ぐように作られた×を見て
それが"バツイチ"だとわかる

⏰:10/12/20 13:51 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#310 [雪]

「俺の親父も"ペケイチ"っすよ」

「おぉー奇遇だねぇ」


この人なら誰とでも
円満にやっていけそうなのに

「両立なんて、俺には無理
欲張りじゃん。中途半端は嫌いだし」


夢を追うか、嫁さんと幸せに暮らすか
そういうことだと思う

遠くを見つめてふてくされていた

⏰:10/12/20 13:55 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


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