―‥ 殺したいほどに ※BL
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#302 [雪]
ぬっと真横に飛び出してきた髭面
煙草の臭いが鼻につく
「んな驚くことなかろーに」
どこか余裕そうで
羨ましくもあり、憎たらしくもあり
「羨ましいなぁー美男子」
ばふっと頭を掴まれて
ガシガシっと撫でられた
:10/12/17 21:28
:D905i
:ic0DbgC.
#303 [雪]
「んな゙ぁー」
やめろと無理やり手を払いのける
調子よすぎて‥疲れるわ
改めてよく見ると
この人こそ美男子の面影あり
髭と、もさったい髪さえなければ
爽やかな部類なのかもしれない
何となくわざと
それで隠してる気もする
:10/12/17 21:35
:D905i
:ic0DbgC.
#304 [雪]
「客来るんすか?ココ」
目立つようなとこにはなく
駅から近いわけでもなく
この辺を毎日のように歩き回ってるような
マニアックな人間しか気付かなそうな場所
「あぁー‥2、3匹くらい」
手慣れた手つきで紅茶を入れ
レモンかミルクかと問う
「ミルク‥。匹って?」
「ミルクー‥あ、これ客用」
:10/12/20 13:28
:D905i
:jWEZN3BQ
#305 [雪]
浅い皿に入った牛乳
並々と注がれゆらゆらと揺れている
「‥」
ふと窓の外に目をやる
暗い朱色の屋根に黒、白、ミケ
ミケ‥?
「客‥って」
「黒が小豆、白が大福、ミケがランジェロ」
:10/12/20 13:34
:D905i
:jWEZN3BQ
#306 [雪]
突っ込みどころがありすぎて
どこから行くべきか戸惑う
逆に突っ込まなくていいかなとも思う
「ランジェロって何(笑)」
もはや笑うしかない、俺、お疲れ
"ミケ・ランジェロ♪"
案の定な答えが返ってくる
なぜか誇らしげな店長
いわゆる"どや顔"
:10/12/20 13:37
:D905i
:jWEZN3BQ
#307 [雪]
「人は?人」
窓を開けて仕方なく客にミルクを差し出す
まだ奴らはチビで、飲み方がぎこちない
「人もー‥平均2、3」
「それでやっていけんの?」
「無理(笑)
だから美男子を雇ったわけよー」
休日は10人くらい来る
買う人は半分くらいかなーと
その余裕は一体どこから?
:10/12/20 13:42
:D905i
:jWEZN3BQ
#308 [雪]
プレッシャーだ
人が来なきゃ給料だってないだろ
人呼ぶのは俺の役目みたいな雰囲気だし
「宣伝とかすりゃーいいのに」
「宣伝?んー‥副店長に任せる」
「って、」
「冴島に任せる」
なぜか終始幸せそうに笑って
だけどどこか悲しそうな目をしてる
余計なお世話かもしれないけど
病気がちな感じ。痩せてる
:10/12/20 13:47
:D905i
:jWEZN3BQ
#309 [雪]
夢を追い求めたって
くたばったら意味ないだろー‥
「嫁さんとかいないんすか?」
ミルクティはうまかった
猫舌にも丁度良い、飲み頃
「ペケイチ」
両方人差し指をクロスさせて、また笑う
「ペケ?」
口を塞ぐように作られた×を見て
それが"バツイチ"だとわかる
:10/12/20 13:51
:D905i
:jWEZN3BQ
#310 [雪]
「俺の親父も"ペケイチ"っすよ」
「おぉー奇遇だねぇ」
この人なら誰とでも
円満にやっていけそうなのに
「両立なんて、俺には無理
欲張りじゃん。中途半端は嫌いだし」
夢を追うか、嫁さんと幸せに暮らすか
そういうことだと思う
遠くを見つめてふてくされていた
:10/12/20 13:55
:D905i
:jWEZN3BQ
#311 [雪]
「"支える"とか"ついて行く"とか
そんな覚悟ができてたとしても
それはその時だから言える。
やっぱ、生活が苦しいのは辛いさ」
あぁ‥こういうことなんだ
「道連れは、俺が嫌だった
人ひとり養えない男が
"旦那さま"なんて、アホくさいだろ?」
2人も、こういうことなんだ。
「愛の形は、人それぞれ
本当に愛してんなら、時には‥ね」
:10/12/20 14:01
:D905i
:jWEZN3BQ
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