街がスカーレットに染まる時
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#1 [ぎぶそん] 09/10/13 20:18
どうもm(__)m
携帯を修理に出して今書いてるのが書き込めないので、暫くはこちらを書いていきます。
よろしくお願いします。
#119 [いちご]
更新楽しみにしてます
頑張ってください!
:10/03/07 09:53 :P903i :Cgyk5OOo
#120 [ぎぶそん]
部屋を出て、自転車を漕ぎ目的地を目指す。
どんよりとした雲が、今日の街の景色を冴えなくしている。
でもそんなことはお構いなしに、私の漕ぐスピードは上がる。
チケットの右隅に書いてある地図によると、駅から歩いて五分したところにある、商店街の外れにある小さな建物の二階がライブハウスの場所となる。
地図どおりに進んでみたところでライブハウスの看板を見つけ、自転車をその辺に止めて階段を上がる。
すぐ目の前にいた男女も、はやる気持ちで二階へと駆け上がっていっていた。
:10/03/11 00:55 :SH705i :r3kx0MPo
#121 [ぎぶそん]
「あ、イトウマオリンのルームメートの噂の足立さんだ。
今日は来てくれたんだね!」
ライブハウスのドアの前には、前に一度だけ会ったことがある三年の田口さんがチケットもぎりの係として立っていた。
彼にチケットを渡し、半券を返された。
「マオリンたちの出番はもうすぐだから、前の方に行って待っておくといいよ」
田口さんが優しく甘い顔をして微笑む。
とりあえず、時間内にたどり着くことが出来たみたいだ。
私は薄暗い人だかりの中に入った。
:10/03/11 01:03 :SH705i :r3kx0MPo
#122 [ぎぶそん]
加奈の姿を探しながら、前の方へと歩み寄っていく。
想像以上に人と人とで混雑していて、気をつけて歩かないとぶつかりそうになる。
「かなめっ!」
ふいに誰かに肩をポンッと叩かれた。
「静香!来てくれたんだね」
同じアルバイト先の中野静香だった。
数日前バイトの終わりにチケットを渡し、その時は「行けたら行く」と言われていた。
個性的なデザインのTシャツに、フリルのロングスカート。
彼女の金色の髪の一部に入ってる赤いメッシュは、照明が落ちていてもはっきりと認識出来る。
:10/03/11 01:11 :SH705i :r3kx0MPo
#123 [ぎぶそん]
「前言ってた年下の彼氏が出たら教えてね!」
「彼氏じゃないよ、ただのルームメート」
静香と話し込んでいたさなか、突如ライブの開始時刻を示すBGMが大音量で鳴る。
人声で喧騒していた会場も、一気に静かになった。
ステージ上で、真織を含む一年生の四人が現れた。
それぞれが所定の位置につき、予めそこに置いてあったギターやベースを手にする。
ステージの中央にいる真織がパーカーをまくり、スタンドマイクに手をかける。
反対の手でしっかりとエレキギターのネックを握りながら。
:10/03/11 01:43 :SH705i :r3kx0MPo
#124 [ぎぶそん]
「えー、僕たち一年生バンドはこれからスピッツの曲を演奏します。
一生懸命練習したので、数十分の間お付き合いよろしくお願いします」
彼が照れ笑いを浮かべ、大きな目を見開き客席を見回す。
大学生となって初めてとなるライブに、流石の彼も緊張している様子が伺える。
「せーのっ…、マオリン頑張れー!」
客席の隅で、同じサークルの女子たちが声援を送っていた。
彼がその人らに向かって小さく礼をする。
私の前では決して見せてはくれない顔を、。
毎日顔を合わせている彼が、今日は何故か遠くに感じた。
:10/03/12 21:24 :SH705i :9QYPeqek
#125 [ぎぶそん]
彼らは最初に「けもの道」を演奏し始めた。
出だしの「東京の日の出 すごいキレイだなぁ」が、私の中で特にお気に入りのフレーズである。
本当にキレイなのかどうか、私は実際にカメラを持ってその目で確かめに行ったことが以前ある。
その言葉に嘘偽りはなく、日が完全に昇るまで無言のまま見つめていた。
例えば夢を追って上京してきた若者にとっては、それはもっと輝かしく見えるものかも知れない。
その時撮った写真は、ベッドの側の壁に貼ってある。
目を覚ますと、その写真が一番に私の視界に入ってくる。
:10/03/12 21:37 :SH705i :9QYPeqek
#126 [ん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/27 07:22 :Android :DE5DdzBs
#127 [ん◇◇]
:22/10/27 12:06 :Android :DE5DdzBs
#128 [ん◇◇]
:22/10/27 12:06 :Android :DE5DdzBs
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