紫陽花の咲く頃に
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#1 [Lily] 09/11/06 11:26
おはよう。
おはよう、ねーちゃん!
昨日は悪いことしなかった?
うん!誰もぶったりしてねーし、ねーちゃんのゆってたこともちゃんと守ったし!
そっか、ならよかった。
ねーちゃんもちゃんと約束守ったか?
うん。けいちゃんとの約束、破るわけないでしょ。
おっけー!じゃあ今日も!
はい、ゆびきりげんまん。
#37 [Lily]
謎だらけのまま取り残された俺は唖然としていたが、あとあと笑いがこみ上げてきた(何がおかしいのか、自分でも分からなかった)。
俺はその時、本当の紫陽花のように移り気だな、と思った。
:09/11/06 17:24 :PC :JJDkMOWY
#38 [Lily]
俺は彼女のことを忘れることが出来なかった。まるで幼い日に恋した、あの女性(ひと)のように。
でも一つ言えるのは、これは恋なんかじゃない。だって俺は、未だにあの女性のことが忘れられないから。俺を裏切ったはずなのに、愛しくも、恋しい。
:09/11/07 03:07 :SH905i :Q6H0UnsU
#39 [Lily]
あれは俺が小学四年生の、春だった。その日、いろいろとやんちゃをしていた俺は(といっても小学生なりの、だが)学校の上級生に目を付けられ、殴る蹴るの報復を受けた後だ。
痛みに涙を押し堪え、土砂降りのなか、傘もささずに一人寂しく帰り道を歩いていると、彼女は現れた。
:09/11/07 03:08 :SH905i :Q6H0UnsU
#40 [Lily]
「やあ、少年。どうした?泣きそうな顔して」
淡いブルーの傘を差してたたずむ彼女はセーラー服を着込んでおり、自分よりも年上だということはすぐに理解できた。
でもその時報復を受けたことにたいする苛立ちで、彼女に八つ当たりのように言い返した。
:09/11/07 03:09 :SH905i :Q6H0UnsU
#41 [Lily]
「なんだよ、あんたには関係ねーよ」
それでも彼女は食い下がった。雨で霞んでいて表情はあまりわからなかったが、笑っているようだった。
「少年、そんなに気を立てんな。青春に失敗は付き物だよ」
:09/11/07 03:10 :SH905i :Q6H0UnsU
#42 [Lily]
彼女は俺に歩み寄ると、肩にぽん、と手を置いた。その時の彼女はやはり笑みを浮かべていた。
「あんたに何がわかるんだよ」
きっとあの時の俺ほど、可愛くない小学生はいないと思う。肩に置かれた彼女の手を払いのけてやった。
:09/11/07 03:10 :SH905i :Q6H0UnsU
#43 [Lily]
それでも彼女は諦めなかった。淡いブルーの傘を半分俺に差すと、今度は頭の上にぽん、と手を置かれた。
「まあまあそういわない。とりあえず、うちにおいで。ホットココアをご馳走してあげるよ」
:09/11/07 03:11 :SH905i :Q6H0UnsU
#44 [Lily]
彼女の笑顔を見ていると、体が温かくなった気がした。小学生の俺が大人の世界へと足を踏み入れた第一歩、だったのかもしれない。
どう?というように首を傾げていたので、俺は黙って頷いた。
:09/11/07 03:11 :SH905i :Q6H0UnsU
#45 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/02 01:49 :Android :Ltpo.xA.
#46 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/04 21:16 :Android :nH.OoPsQ
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