太陽と夏の空
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#311 [ラビ]
…甲子園まで…あと1日。
ヒロキがいなくても
甲子園の日は近付いてくる。
俺は家に帰ってから
甲子園へ行く準備をした。
:06/09/08 22:20 :W32SA :7EhxBMWw
#312 [ラビ]
―次の日の朝。
サァァァァァァ…
鳥の鳴き声の変わりに
水の音で目を覚ました。
…今日は雨だ。
セットした目覚ましよりも15分早く目覚めた俺は
カーテンを開け、外を見た。
そんなに激しくなく
優しく降る雨。
:06/09/08 22:24 :W32SA :7EhxBMWw
#313 [ラビ]
その雨はまるで
ヒロキの涙のようだった。
“オレも甲子園に出たい…。”
そんな声が今にも聞こえてきそうで…
胸が苦しかった。
ピピピ…ピピピ…ピピピ…
:06/09/09 09:34 :W32SA :/ARMUmII
#314 [ラビ]
ぼんやりとしていると
目覚ましがなった。
ピ…
俺は目覚ましを止めてベッドを出る。
…また一日が始まる…。
:06/09/09 09:39 :W32SA :/ARMUmII
#315 [ラビ]
学校に着いてみると
部員がほとんど集まっていた。
甲子園前最後の練習。
みんな相当気合いが入っているようだった。
今日は雨なので外での練習は出来ず
室内練習場でのバッティング練習だった。
:06/09/09 09:45 :W32SA :/ARMUmII
#316 [ラビ]
俺は隅に作られたピッチングのスペースで
ひたすらボールを投げた。
全国の奴らに通用するように
全ての変化球、ストレートに磨きをかけた。
「あんまり投げたら試合前に肩壊すぞ」
:06/09/09 09:55 :W32SA :/ARMUmII
#317 [ラビ]
そう言われて振り向くと
そこには淳平がいた。
淳平は俺とヒロキが入学してから初めて愛川高校の練習に来たとき
初めて部室で会った奴だ。
淳平はキャッチャーをやっていて
ヒロキがいたときからレギュラーで
ヒロキが投げるボールを
いつも受けていた。
:06/09/09 10:03 :W32SA :/ARMUmII
#318 [ラビ]
淳平「お前の球もヒロキの球も対して変わんねぇよ。」
達矢「でも…ピッチャー経験はヒロキのほうが豊富だぜ」
ピッチング練習を続ける俺に
淳平はなぐさめるように言った。
淳平「経験も大事だけどよ…そんだけ投げれたら誰も文句言わんだろ」
:06/09/09 10:11 :W32SA :/ARMUmII
#319 [ラビ]
達矢「まぁ、文句言われるのは困るな。」
俺はハハッと笑って答えた。
達矢「でもよ、俺の肩には2人分の期待がかかってんだ」
淳平「2人分?」
淳平は首をかしげて尋ねる。
俺は手を止めて
不思議そうに見つめる淳平に言った。
達矢「父さんとヒロキ…。」
:06/09/09 12:36 :W32SA :/ARMUmII
#320 [ラビ]
…そうだ。
俺の肩には
俺が甲子園で投げる姿を楽しみにしていた父さんと…
一緒に甲子園に行き…お互いに日本一になること誓ったヒロキ…。
2人の期待がかかっているんだ。
淳平「そうか…。」
淳平はそれ以上は言わなかった。
:06/09/09 12:41 :W32SA :/ARMUmII
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