太陽と夏の空
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#382 [ラビ]
そして、1試合目の試合が終わった。
「よし!行くぞ!」
『おう!!』
全員が気合いを入れ、グランドに足を踏み入れる。
…甲子園の砂。
ただの砂には変わりないのに
なんでこんなにも感動するんだろう。
砂に触れられるだけで…
涙が落ちそうだった。
:06/09/14 23:19 :W32SA :n2AqFvfQ
#383 [ラビ]
しばらくすると、試合開始の合図が出た。
《両校、あいさつ》
アナウンスが響き渡り、俺達は全力で走って整列した。
『っします!!』
相手の高井高校と向かい合い、頭を下げる。
…いよいよプレイボール。
俺達の甲子園第1ゲーム目が幕を開けた。
:06/09/15 06:55 :W32SA :PHEXLJ0A
#384 [ラビ]
1回表…
先攻は高井高校。
愛川は歓声をあびながら守備位置についた。
俺は一人、マウンドに上がる。
トクン…トクン…
立っているだけでも胸が高鳴っているのがわかる。
:06/09/15 21:12 :W32SA :PHEXLJ0A
#385 [ラビ]
…ここが甲子園。
…ここが甲子園のマウンド。
いつもいつもテレビでしか見れなかった。
いつも誰かが投げてるのを見てるしかなかった。
でも…
今投げるのはこの俺だ。
甲子園のマウンドは
すごく居心地が良かった。
:06/09/15 21:33 :W32SA :PHEXLJ0A
#386 [ラビ]
父さんも
何年か前、ここに立っていたんだ…。
そう思うと同時に
ヒロキのことが頭に浮かんだ。
…ここは…
…本当はヒロキが立つ場所だった。
:06/09/15 21:36 :W32SA :PHEXLJ0A
#387 [ラビ]
…俺が立ってていいのか?
いつも後ろ向きに物事を考えてしまう俺の悪い癖。
でも、この日は違った。
達矢「俺じゃなきゃダメだろ」
ボソッとつぶやき、胸を押さえた。
…ヒロキに変わって投げれる奴は俺しかいねぇ。
そう自分にいい聞かせて白球を握りしめた。
:06/09/15 21:44 :W32SA :PHEXLJ0A
#388 [ラビ]
…5回の裏。
試合は両者一歩も引かず、0対0のまま5回を迎えた。
そして愛川高校の攻撃。
相手の長身ピッチャーから振り降ろされる速球に
愛川はなかなか手が出なかった。
それに、相手高校の守備はハンパなかった。
:06/09/15 21:51 :W32SA :PHEXLJ0A
#389 [ラビ]
さすが守備の上手さが有名なだけある。
いいとこに打ったと思っても
ファインプレーの連続。
あっというまにアウトにされてしまう。
「さすがだな…」
俺は全国のレベルの高さを改めて実感した。
:06/09/15 21:54 :W32SA :PHEXLJ0A
#390 [ラビ]
ツーアウト ランナー無し。
…この回も得点0で終わりそうだ。
そう思い守備の準備をしようとベンチ内を見回していると…
ヒロキのユニフォームが目に入った。
ヒロキのユニフォームはキレイにたたまれ、
ベンチの隅に置かれていた。
:06/09/15 21:59 :W32SA :PHEXLJ0A
#391 [ラビ]
グランドを見守るかのように遺影が置かれ、
スパイク、グローブ、帽子もキレイに置かれていた。
達矢「なぁヒロキ、お前だったらどう投げる?」
俺は思わず声をかける。
:06/09/15 22:05 :W32SA :PHEXLJ0A
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