太陽と夏の空
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#11 [ラビ]
「何言ってるの達矢!地元の人も皆嬉しいのよ☆」


母さんが笑顔で言った。

達矢「愛川はこれからだろ?甲子園で優勝すんだからよ」


母「あはは☆期待してるわよ♪」

母さんの明るい声を聞きながら、俺は自分の部屋に戻った。

⏰:06/08/22 12:16 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#12 [ラビ]
ベッドにころがり、持ってきた新聞を広げる。



『帰ってきた怪物』


大きく書かれた文字の横には


『宮本投手 白石学園を見事完封!』

と書かれていた。


宮本…。


この名前はどの新聞を広げても書かれていた。


達矢「“愛川に宮本あり”か…。」


俺は何とも言えない気持ちだった。

⏰:06/08/22 12:28 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#13 [ラビ]
―次の日


「よう達矢!!」


登校中、後ろから肩を叩かれた。

達矢「なんだ、ヒロキか」


ヒロキ「なんだとはなんだよ!(笑)一緒に行こうぜ☆」


達矢「おう」

俺はヒロキと一緒に教室に向かった。

⏰:06/08/22 12:33 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#14 [ラビ]
こいつは、宮本ヒロキ。

俺と同じ野球部だ。


…そぅ、こいつこそがあの“宮本”。


強烈白石打線を抑えたウチのエース。


俺の親友だ。

ヒロキとは中学の時から野球をやっている。



…そうだ、全ては中学の時から…。

⏰:06/08/22 12:40 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#15 [ラビ]
【俺の過去】

「また上手くなったなぁ〜お前!」

父さんが頭をなでる。


達矢「ボクね、大きくなったらプロ野球選手になるんだ!そして日本一のピッチャーになって…大リーグでも有名な選手になる!」

「そうかぁ、頑張れよ!でもその前に、甲子園があるな☆」

達矢「こうしえん?」


「甲子園はな、日本中の球児の夢の舞台なんだ。父さんも行ったんだぞ!」

⏰:06/08/22 17:21 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#16 [ラビ]
達矢「すごーい!ボクも父さんみたくなれる?」

「なれるさ!お前はすごくいいピッチャーだ!頑張れよ」…




…昨日のことのように思い出される光景。

父さんはいつも優しく俺をなでてくれた。


父さんは愛川高校の出身で、ピッチャーだった。

“強豪 愛川”と騒がれていた時代のエースだ。

もちろん、父さんは甲子園のマウンドにあがったことがある。

⏰:06/08/22 17:28 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#17 [ラビ]
俺はそんな父さんに憧れて野球を始めた。

いつも父さんの後ろにくっついて、ヒマさえあればキャッチボールの相手になってもらっていた。


「よし!今の球はいい球だ!」


俺は父さんに誉めてもらえるのが嬉しくて、夢中になってボールを投げた。

⏰:06/08/22 21:51 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#18 [ラビ]
小学3年になった頃、俺は小学校の野球少年団に入った。

小さい時から野球をしていた俺は、ひときわ目立った存在だった。





…スパーン!!

「ストライク!!バッターアウト!」


わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


「あの子スゴいよ、もうこれで三振10コ目…」

「こんないいピッチャーがいたなんてな…小学生にしては速すぎだろ」

⏰:06/08/22 21:58 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#19 [ラビ]
「なんだっけ、あの子の名前…。あっ坂本達矢クンだって!」


…小学生にしては速すぎる速球に完璧なコントロール。

俺は入団してすぐにエースになった。


「いゃぁ〜達矢!お前はスゴいピッチャーだ!!こんなピッチャー今まで見たことないぞ!ウチの学校の名物だな!」


いつも監督にはそう言われ、父さんも俺も誇らしげに笑ってた。

⏰:06/08/22 22:05 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#20 [ラビ]
“天才”


そう呼ばれていた。


“坂本達矢”


もはや地元で俺を知らないやつはいないと言って良かった。



俺も父さんに近づいているようで嬉しかった。

『早く“こうしえん”に行きたい』


毎日のように思ってたある日のこと。


それは、小学6年生になってからのことだった。

⏰:06/08/22 22:14 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


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