太陽と夏の空
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#131 [ラビ]
ヒロキ「俺は…」


ヒロキは少し顔を曇らせた。

そして言いづらそうに口を開いた。


ヒロキ「俺も…愛川に行きます…。」


…え?

ヒロキも愛川?


俺は正直驚いた。

ヒロキはもう白石に決めているのだと思っていた。

だってヒロキの父さんが…


白石だったから。

⏰:06/09/01 18:11 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#132 [ラビ]
俺の父さんとヒロキの父さんは同期で、夏の甲子園をかけた大会で戦ったらしい。


俺の父さんは愛川でピッチャー、

ヒロキの父さんは白石でキャッチャーだった。


てっきり俺はヒロキは父さんと同じ高校に行きたいと思ってるんだと思ってた。

俺が父さんと同じ愛川に憧れているように…。

⏰:06/09/01 18:19 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#133 [ラビ]
監督「そうか、宮本も愛川か…。まぁ、まだまだ時間もあるし、まだまだこれからいろいろな学校からも来るだろうから、二人ともゆっくり考えなさい。」


ヒロキ・達矢『はい』


監督「じゃ、戻っていいぞ」


ヒロキ・達矢『ありがとうございました!』


…こうして監督との面談を終えた。

⏰:06/09/01 18:23 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#134 [ラビ]
相談室を出たあと、俺はぼんやりと考えていた。


…ヒロキも愛川か…。

別に嫌なわけではない。

嫌なわけではないんだけど…


なんだか心にモヤモヤが残る…。


「おい」


達矢「うわぁ?!」


また驚いて振り替えるとヒロキがケタケタ笑っていた。


ヒロキ「お前、今日驚きすぎだぞ(笑)」

⏰:06/09/01 18:30 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#135 [ラビ]
達矢「いや…悪ぃ」


ヒロキ「オレってそんなに怖い…?」


達矢「いや、そういうわけじゃないからさ」

ヒロキ「そう?なら良かった☆」

ヒロキは笑って言った。

…が、すぐにその笑みは消え、急に真面目な顔になった。

真面目というか…


どこか悲しそうだった。

⏰:06/09/01 18:36 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#136 [ラビ]
ヒロキ「俺さぁ…」

とても申し訳なさそうに話すヒロキ。

俺は目線をそらさずにヒロキを見つめて話を聞いた。


ヒロキ「俺さぁ…結構ちょっと前から愛川に行きたいと思ってたんだ。
最初は白石を考えてたし…自分は白石だろうって思ってたときもあったけど…

でもやっぱ父さんと同じばっかじゃなくて、自分で新しいことしたいなぁって思ってさ…

⏰:06/09/01 19:01 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#137 [ラビ]
でも…達矢は親父さんと同じ高校に行きたいって思ってるの知ってたから…。

オレについて来られるの嫌がるんじゃないかと思ってずっと言えなかったんだ…。」

俺はヒロキの話を黙って聞いていた。

やっぱり俺…


ヒロキにもそう思わせちゃう態度だったのかな…。

そうだと思うと、ヒロキにすごく申し訳ない気持ちになった。

⏰:06/09/01 19:13 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#138 [ラビ]
達矢「別に、迷惑じゃねぇよ!全然言ってくれて良かったのに…」

ヒロキ「ホント?!あのさ…これもずっと前から思ってたんだけど俺…高校でも達矢と野球がしたいんだ!」


ヒロキのその言葉に俺は嬉しくて…胸がいっぱいになった。

俺だって…まだまだヒロキと野球がしたい。


達矢「一緒に愛川行こうぜ」

⏰:06/09/01 19:17 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#139 [ラビ]
俺がヒロキに言えた言葉はその一言だった。


ヒロキ「本当に?!ありがとう!!」


ヒロキは満面の笑みを浮かべた。




『甲子園行こうぜ』



二人の声がそろった。


俺達は笑いながら教室へと戻った。


そしていつの間にか、あの心に残ったモヤモヤも消えているのに気がついた。

⏰:06/09/01 19:21 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#140 [カズ]
楽しかったよ
更新楽しみに待ってる

⏰:06/09/02 02:19 📱:W41CA 🆔:ogbf.qeM


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