太陽と夏の空
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#265 [ラビ]
達矢「ヒロキ…戻ってこいよ…ヒロキぃぃ…」


床を殴り続ける俺を母さんが止めた。


「達矢ぁ!止めなさい!」


母さんも涙で顔がぐしゃぐしゃだった。



俺はとりあえず病室を出ることにした。

⏰:06/09/05 22:02 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#266 [ラビ]
病室を出て、待合室の椅子に座る。


俺は下を向いてボーっといていた。


とゆうか、ボーっとすることしか出来なかった…。





『甲子園行こうぜ』


『お前を日本一のショートにしてやんなきゃな!』


『達矢がいてくれて本当に良かった』

⏰:06/09/05 22:06 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#267 [ラビ]
次々に出てきては消える、ヒロキの言葉…。


あんなに笑ってたのに…


ずっと一緒に戦ってきたのに…。


そのヒロキはもういないんだ…。




『ありがとう』



これもヒロキが残した言葉…。

⏰:06/09/05 22:08 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#268 [ラビ]
この言葉は…


俺もヒロキに言わなきゃならない言葉だ。


ヒロキのおかげで…


もっと野球が楽しくなった。



また涙がポロポロと流れ落ちる。

本当に…悪夢だ。

⏰:06/09/05 22:11 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#269 [ラビ]
いや、違う…。


悪夢…“夢”であるならまだマシだ…。


とゆうより、夢であって欲しい。


明日の朝、目が覚めて学校に行ったら…


ヒロキが朝練してて…

「おはよう」

っていつものように笑ってる。



…そうなればいいと何度も何度も思っていた。

⏰:06/09/05 22:15 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#270 [ラビ]
達矢「はぁ…くそっ…」


…とその時、隣に誰かが座った。

俺は驚いて横を見る。



「…おっす」


…隣には監督が座っていた。


達矢「…監督…」



監督は俺の頭をポンポンと叩いた。

⏰:06/09/05 22:25 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#271 [ラビ]
監督「あんまり泣いたら宮本が心配するぞ」


達矢「そうですけど…泣かないなんて…無理っすよ」


監督「そうだな。悪い悪い。お前はずっと宮本を見てきたんだもんな…。」


監督の言葉に、俺はまた涙を流した。

達矢「俺…悔しいです…。ヒロキが甲子園前に死ぬなんて…有り得ない…」

⏰:06/09/05 22:31 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#272 [ラビ]
泣く俺の頭をまたポンポンと叩き、監督は優しく言った。


監督「俺も本当に無念でならない…。悔しいな。神様もずいぶんヒドイことするモンだ」

監督も泣いているようだった。


静かな待合室で、鼻をすする音が響く。

⏰:06/09/05 22:35 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#273 [ラビ]
しばらくすると、監督がゆっくりと口を開いた。


監督「なぁ…お前、1番着ないか?」


達矢「…え?」


監督「ヒロキがいなくても甲子園出ないわけにはいかないだろう?大会ではお前をピッチャーで戦おうと思ってる…。どうだ?」


俺がピッチャー…。


俺が…ヒロキの変わり…?

⏰:06/09/05 22:42 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#274 [ラビ]
背番号1番はヒロキの番号だ。


俺はショートだから6番…。


監督「ショートには他の奴を入れるよ。ヒロキも変わりに1番を着てもらうとしたら、親友であるお前に着て欲しいと思うだろう」


俺は困った。

確かに…ヒロキも俺に着ろと言いそうだ…。

だが俺は…。


俺は答えを決めた。

⏰:06/09/05 22:45 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


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