太陽と夏の空
最新 最初 全
#332 [ラビ]
達矢「頑張って来るからな…。」
俺は写真に向かってつぶやいた。
…空から
見ててくれよ。
俺…
頑張るから…。
そして俺は監督の後について会場を出た。
:06/09/09 22:52 :W32SA :/ARMUmII
#333 [ラビ]
家に帰ると、母さんもちょうどお通夜から帰って来ていた。
母「あら、おかえりなさい。今ご飯作るね」
達矢「うん…」
母さんの背中を見送り、俺は部屋に入った。
明日…甲子園に向けて出発する。
不思議と緊張はしなかった。
:06/09/09 23:06 :W32SA :/ARMUmII
#334 [ラビ]
…今日ヒロキの顔を見てきたからかな…?
ぼんやりとそんなこと考えながら、俺は夕飯までの間眠った。
:06/09/09 23:11 :W32SA :/ARMUmII
#335 [ラビ]
―次の日の朝。
…今日はいよいよ出発だ。
俺はいつもより早く起きて支度をしていた。
天気は快晴。
スズメも元気に鳴いているし、
風も気持ちがいい。
今日は暑くなりそうだ。
:06/09/09 23:21 :W32SA :/ARMUmII
#336 [ラビ]
部屋を出て下に降りると、
母さんが朝ご飯を作っていた。
母「あら、おはよう。今日は早いね。よく寝れたの?」
達矢「あぁ。おはよう」
俺は母さんに返事をして、和室へ向かった。
:06/09/09 23:30 :W32SA :/ARMUmII
#337 [ラビ]
和室に入ると、一気に線香の匂いが漂った。
俺は仏壇の前に座り、ロウソクに火をつけた。
ゆらゆらと燃える火…。
さらにその火で線香にも火をつけた。
チー…ン…
俺は仏壇に向かって手を合わせた。
:06/09/10 09:19 :W32SA :hksmURtU
#338 [ラビ]
立ちのぼる線香の煙は
父さんの遺影をおおった。
写真の父さんは
『頑張ってこいよ』
と言ってくれたような気がした。
「達矢ぁ〜ご飯出来たよ〜!」
母さんが俺を呼ぶ。
達矢「今行く〜!」
俺は返事をして
もう一度遺影を見上げた。
:06/09/10 09:26 :W32SA :hksmURtU
#339 [ラビ]
達矢「父さん…俺…頑張ってくるから。」
そう言って俺は和室を後にした。
母さん「父さんがいなくなってからもう4年経つのね…早いもんだわ」
俺の顔を見てしみじみと母さんは言った。
達矢「まだ4年しか経ってないよ」
俺はまだ母さんのように
父さんの死を軽々しくは言えなかった。
:06/09/10 09:36 :W32SA :hksmURtU
#340 [ラビ]
すると母さんはフフフと笑って俺に言った。
母「きっと父さんも見ててくれるから、頑張りなさいね」
そう言われた瞬間、さっきの遺影の父さんが浮かんだ。
達矢「言われなくても頑張るよ」
笑う母さんに俺も笑って答えた。
:06/09/10 09:47 :W32SA :hksmURtU
#341 [ラビ]
…「ごちそうさま」
朝食を済ませて、もう一度荷物の確認をする。
…よし。忘れ物はない。
時間も丁度いいので、家を出ることにした。
母「気を付けてね」
達矢「わかってる」
荷物を持って玄関に立つ。
達矢「行ってきます」
微笑む母さんに向かって、俺は笑顔で家を出た。
:06/09/10 09:52 :W32SA :hksmURtU
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194