太陽と夏の空
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#341 [ラビ]
…「ごちそうさま」
朝食を済ませて、もう一度荷物の確認をする。
…よし。忘れ物はない。
時間も丁度いいので、家を出ることにした。
母「気を付けてね」
達矢「わかってる」
荷物を持って玄関に立つ。
達矢「行ってきます」
微笑む母さんに向かって、俺は笑顔で家を出た。
:06/09/10 09:52
:W32SA
:hksmURtU
#342 [ラビ]
ドアを閉めて前を見る。
いよいよ甲子園だ…。
高鳴る胸を抑えながら門を出る。
…その時だった。
「…達矢君…」
…?
誰かに名前を呼ばれ、驚いて辺りを見回す。
達矢「…お…おばさん…」
:06/09/10 10:00
:W32SA
:hksmURtU
#343 [ラビ]
そこには、ヒロキのお母さんが立っていた。
達矢「ど…どうしたんですか?」
俺は驚きを隠せなかった。
…なんでヒロキのお母さんがいるんだ?
するとヒロキのお母さんは、持っていた一つの紙袋を俺に差し出した。
:06/09/10 10:04
:W32SA
:hksmURtU
#344 [ラビ]
紙袋の中身は、
グローブ・スパイク・帽子…
そして…
背中に1と書かれたユニフォームが入っていた。
ヒロキ母「これ…ヒロキのなの…。」
涙を流しながら話すヒロキのお母さん。
俺は胸がいっぱいになって何も言えなかった。
:06/09/10 10:15
:W32SA
:hksmURtU
#345 [ラビ]
ヒロキ母「ごめんね…本当に勝手な話なんだけど…。ヒロキも…一緒に甲子園に連れて行ってあげて欲しいの…」
泣き続けるお母さんを見て、俺は紙袋をぎゅっと握りしめた。
達矢「大丈夫です。ヒロキは愛川高校のエースですよ。エースが甲子園に行けないわけないじゃないですか…。」
:06/09/10 10:20
:W32SA
:hksmURtU
#346 [(^_-)-☆]
:06/09/10 12:21
:SH902i
:iSp8Hat2
#347 [ラビ]
(^_-)-☆さん♪ありがとうございます☆(*^^*)頑張ります↑(*≧m≦*)
:06/09/10 18:23
:W32SA
:hksmURtU
#348 [ラビ]
達矢「…ヒロキが連れて行ってくれた甲子園ですから…。ヒロキも連れて行きます。」
そこまで言って、俺は涙をこらえるのが限界だった。
ヒロキ母「ありがとう…。ありがとう…。」
達矢「じゃあ、俺行きます。ヒロキの分も投げてきますから。見てて下さい…。」
:06/09/10 18:33
:W32SA
:hksmURtU
#349 [ラビ]
そう言って俺は、ヒロキのお母さんに背を向けた。
ヒロキ母「気を付けてね…」
ヒロキのお母さんに見送られながら、俺は歩きだした。
…本当は、自分の息子に言いたかっただろう…。
「気を付けてね」…
「頑張ってね」…
…って…。
:06/09/10 19:02
:W32SA
:hksmURtU
#350 [ラビ]
きっと…甲子園を決めた日から…
ヒロキのお母さんは、この日…
ヒロキを送り出すことを…
楽しみにしていたと思う。
俺は…
そんなヒロキの母さんの気持ちを思うと
胸が苦しくて苦しくて仕方がなかった。
:06/09/10 19:09
:W32SA
:hksmURtU
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