太陽と夏の空
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#81 [ラビ]
父さん「野球してたんだろ?ピッチャーじゃなくても、スパイク履いて、グローブはめて、ユニフォーム着て泥だらけになってさ。」
達矢「…。」
父さん「それでいいんだよ。何も謝ることなんかないじゃないか。父さんはお前が元気に野球をやってくれれば、それ以外何も要求しないよ。それに今日はナイスプレーだったぞ。お疲れさん」
:06/08/29 15:43 :W32SA :DG9yfLs.
#82 [ラビ]
父さんの優しい言葉に
思わず俺は涙を落とした。
悲しいとか
悔しいとか
そんなんじゃない。
ただ父さんの温かい言葉に包まれて
嬉しくて…
胸がいっぱいになった。
:06/08/29 16:01 :W32SA :DG9yfLs.
#83 [ラビ]
父さん「着いたぞっ」
後ろを振り返り、涙を流す俺を見て
フッと父さんは笑った。
父さん「何泣いてるんだ(笑)お前は本当に良く頑張った。」
温かくて大きな手で、俺の頭を撫でてくれる。
さらに父さんは優しい笑顔と声で俺に言った。
父さん「早く風呂入って泥落としてこい。母さんがご馳走作ってくれるって言ってたぞ。」
コクリと俺はうなずき、車を降りた。
:06/08/29 16:10 :W32SA :DG9yfLs.
#84 [ラビ]
【俺の過去―忘れられない日】
あの初の公式試合の日は、忘れられない日となった。
初めて試合でマウンドに立たなかったこと…。
父さんの言葉…。
改めて野球の楽しさ、奥の深さに触れた日だった。
だが俺には…
もうひとつ、
忘れられない日がある。
:06/08/29 16:16 :W32SA :DG9yfLs.
#85 [ラビ]
あの公式試合で一応活躍出来た俺は、その日以来、ショートをやるようになった。
もちろんそれなりに投げれるのでピッチャーをやる時もあるし、活躍も出来てたけど…
マウンドに立つ時は必ずヒロキの後。
それに、ショートをやることのほうが多い気がした。
:06/08/29 16:21 :W32SA :DG9yfLs.
#86 [ラビ]
季節が流れ、先輩達は残り少ない夏を迎えていた。
中体連をひかえ、日々練習を重ねていたある日のこと…。
練習中、俺は監督に呼び出された。
…俺、何かしたっけ…。
不安になりながらも監督のもとへ走った。
帽子をとり、一礼する。
達矢「っっします!」
:06/08/29 16:29 :W32SA :DG9yfLs.
#87 [ラビ]
監督「おぉ、坂本。お前、すぐにあがれ。」
達矢「え…?」
監督「すぐ練習あがって帰る準備しろ。今、迎えが来る。」
達矢「どうゆうコトっすか…?」
俺は全く意味がわからなかった。
とりあえず…怒られてるワケではなさそうだ。
:06/08/29 16:34 :W32SA :DG9yfLs.
#88 [ラビ]
…どうゆうコトだ…?
訳がわからずオロオロしていると、グランドの横に車が止まった。
「達矢くーん!!!」
達矢「え?」
振り返ると、フェンスの向こうから俺の名前を呼ぶ男の人。
…あ、あの人は…!!
達矢「は…原口さん!?」
:06/08/29 16:43 :W32SA :DG9yfLs.
#89 [ラビ]
原口さんは近所に住むおじさんで、父さんと年齢が近いことからウチと仲良くなった。
俺は小さい頃から可愛がってもらっていて、よくキャッチボールをしたりしていた。
俺は原口さんに駆け寄った。
達矢「どうしたんですか?!」
原口さんは少し息を切らしながら俺に言う。
:06/08/29 16:52 :W32SA :DG9yfLs.
#90 [ラビ]
原口「せっ…説明は後だっ!早く車に乗ってくれっ」
達矢「あ…はい…」
原口さんの慌てぶりに俺は不安になった。
…一体…何が起こってるんだ?
とりあえず荷物を持ち、練習着のまま車に乗り込んだ。
車での移動中はずっと無言だった。
そして着いた場所は…
病院。
:06/08/29 17:05 :W32SA :DG9yfLs.
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