おかまてぃーちゃー

初めて見た時は別に
普通の清潔そうな男性だと思った。

だが、やはり人は見た目で
判断してはならない事を後に知る。

>>2
ｱﾝｶｰ
感想板

「あ、あれ！水野君じゃない！？きゃ！変な人達に襲われてるわ！！！」

石田先生が指を差す方向には確かに拓真の姿があった。

人気のない通り道で黒い格好をした変な4人組に変な物で攻撃をされている。
拓真も刀で攻撃しているが、どう見ても4対1じゃあ不利だ。

「健斗、行くぞ！」

「おう！」

俺達は窓から身体を出した。

「ちょ！何してるのあなた達！危ないわよ！死ぬ気！？」

「はぁ……死ぬ訳ないでしょ…。石田先生は運転に集中してください。」

そして俺達は車の上に乗った。

「きゃぁああああ！！！
な！なぁにしてるのよぉお！おおお落ちるわぁよお！」

石田先生はﾊﾟﾆｸっている。

「それじゃあ椿さん、行きますか。かまちゃん頼むよ！」

「そうですね、高倉さん。」

「ちょ！！何なの高倉君！！何を頼むのよぉお！！」

「どりゃぁあああ！！！」

俺達2人は凄まじい奇声を上げ車の上から男達に飛び掛かった。

「！？」

男達は目を見開いたが、その後には俺達の顔面ｷｯｸが炸裂した。

敵の2人は俺達2人のｷｯｸを食らって倒れたがまだ後2人が残っている。

「…椿君、高倉君…。」

「よ！拓真！友が助けに…助太刀に来たぜ！…なんてやっぱりﾍﾞﾀか？なぁ恭平？」

「いいんじゃね？」

「よ…じゃありません。
　早く逃げてください。」

「まぁまぁ、そんな事言わずに。あと1人来てるだぜ？」

「……………？」

『ﾊﾞﾀﾝ！』

高級車のﾄﾞｱを閉める音。

『ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ！』

思いっきり走ってくる音。

「水野君～っ！！！！」

ﾊｽｷｰﾎﾞｲｽなのに喋り方が女みたいな声。

「石田先生…………」

「ちょ！どきなさいよ！あんた達！水野君大丈夫！？」

石田先生は敵の2人を腕であしらい拓真に駆け寄った。

……まるで自分の息子に駆け寄る母親のように。
母親ではなく父親と言いたい所だが。