いま、君に
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#16 [.XG]
 


お墓の前で
お父さんは泣きながら

「連れてきたぞ、彩加
優人、こんなに大きくなったんだぞ」


そう言って
お墓の前で手を合わせてたから
その頃の俺は見よう見まめで父さんの真似をした

⏰:10/02/16 00:08 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#17 [.XG]
 


「彩加……」


父さんは涙もろい
すぐ泣く


だから、お母さんが
いてくれたらって
思ってたら


アルバムの中で見た
女の人が父さんの背中を
優しくさすっていた

⏰:10/02/16 00:15 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#18 [.XG]
 



だけど父さんは
気づかない


俺はすぐに分かった


お母さんだって


だから父さんにも言った
「お母さん。お父さんの背中、さすってるよ」

⏰:10/02/16 00:19 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#19 [.XG]
 


そう言ったら
お母さんと目があって


「優人、父さんをからかうな。そんな嘘は言ってはいけないよ」



冷たく言われた


「嘘じゃないよ!!」

⏰:10/02/16 00:22 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#20 [.XG]
 


結局、父さんは
信じてくれなかった



そして父さんと2人
静かな家に
お母さんのいない家に
帰った


それ以来、道や学校で
存在してはいけないモノを見るようになった

⏰:10/02/16 00:26 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#21 [.XG]
 

そのせいで
先生には怒られるし


友達からは
嘘つき。と呼ばれ


近所のおばさん達からは
可哀想な子。と呼ばれた

⏰:10/02/16 00:29 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#22 [.XG]
 


俺に見えてるモノは
この世に存在しては
いけないもの。らしい


だけど、
そこにいるのに
そこに確かにいる



それでも
誰も信じてくれない

⏰:10/02/16 00:34 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#23 [.XG]
 


しばらくして
父さんの仕事の都合で



今考えれば
俺の為に

住み慣れた土地を離れて
最初からやり直した

⏰:10/02/16 00:45 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#24 [.XG]
 


生活も
近所付き合いも


学校も友達も全部


「いいか、優人
もう嘘はつかないでくれ
これ以上、母さんの事を
言わないでくれ
父さんも辛いんだ」

⏰:10/02/16 00:47 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


#25 [.XG]
 

最初は分からなかった
区別がつかなかった


あの人は存在していて
この人は存在していない

だからしばらく
俺は無口で
いるようになった

⏰:10/02/16 00:51 📱:D904i 🆔:khE/zqm6


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