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#219 [亜夢]
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「亜夢は何もされてない?…あたし、言おうとおもいつつ、仕事でバタバタしてたから言えなくて……」

嘘にきまってる…

「響皐月に会ってもこのこと言わないでほしいの!!!! あたし殴られたり…蹴られるのは…もう、嫌だから………」

龍紀が暴力?

「皐月は…最初優しくてお前だけだよって言ってくれてたから、信じてたんだけど…こないだ店の廊下でみたの………ほかの女とキスしてるの……」

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⏰:10/06/11 18:02 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#220 [亜夢]
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「うそっ……」

「なんで嘘つかなきゃいけないの……あたし、後でそれを言ったの。 他にも女いるんでしょって…そしたら、喧嘩になって……」

あたし以外にも?

「殴られて……」

電話先でううっ、と桜が泣き出しそうになる。

「桜……」

「亜夢もお願いだから気をつけて?」

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⏰:10/06/11 18:05 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#221 [亜夢]
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弱々しい声…

「桜ごめん……気づいてあげられなくって……」

「大丈夫!!! 話聞いてもらったら少しすっきりした…またゆっくりお喋りしよ?」

「うん…」

そういって電話を切った。

嘘…

でも桜はうちらが付き合ってることを知らないはずだから、本気で心配しているはず。

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⏰:10/06/11 18:07 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#222 [亜夢]
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「……」

龍紀の甘い声や笑顔を思い浮かべる。 …あたし、響皐月がどんな人間かは知らないけれど…龍紀のいいとこいっぱい知ってる。

でも…

悪いところ、ひとつも知らない…

「もしもし?」

思わず龍紀に電話をするあたし。

「うん?…おはよ。 どしたの?」

龍紀が寝てる時間に電話することは滅多にないあたし…

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⏰:10/06/11 18:09 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#223 [亜夢]
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「…今なにしてる?」

「ん〜?今亜夢と電話してるよ〜…」

小さく笑う寝ぼけ声の龍紀。

「どこにいるの?」

「…お布団のなか♪」

ふかふかあ〜と言ってガサガサと音が聞こえる。

「ふうん〜…」

「なに?亜夢が心配してくるの初めてだねえ〜」

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⏰:10/06/11 18:12 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#224 [亜夢]
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「そう?」

「俺はうれしいけどね♪」

ん〜と背伸びしてる声。

「なんか悪い噂でも耳にしたの?なんでも言ってよ。 ちゃんとはなすからさ。」

「……」

桜には言わないでといわれた。

もしあたしがそれを言ったとしても、絶対龍紀はそれは違うよ、という。

それは嘘でもホントでも。

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⏰:10/06/11 18:18 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#225 [亜夢]
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「ん…なんでもない…」

あたし達は他愛もない話をして会話は終わった。

なんだか胸がむかむかする…あたしの心が何か気になっている証拠だ。

龍紀の悪いとこって…なんだろう?

「亜夢…?」

裕也が後ろから声をかけてきた。

「あっ…裕也…」

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⏰:10/06/11 19:32 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#226 [亜夢]
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「大丈夫か?…」

幼なじみの裕也には表情ひとつであたしの感情を読まれてる気になる…

「あは、なんか…わかんない…」

優しい柔らかい声に安心したのかあたしは涙が目からこぼれた。

「…も…わかんない…」

泣きたくないのに。

龍紀の仕事を理解してたはずなのに…あたし、怖い―…

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⏰:10/06/11 19:36 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#227 [亜夢]
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「やめろよ―…」

え―…

いつも明るい笑顔ばっかりの裕也が眉間にしわを寄せて、あたしをみた。

腕をきゅっと掴んで…

「裕也……」

「やめろよ、もう―…」

少し悲しそうな顔をする裕也にあたしの胸が痛む。

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⏰:10/06/11 19:39 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


#228 [亜夢]
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「お前を泣かす男なんか、認めない。」

あたしの腕を掴む、裕也の手が…強くなった。

「―不安とか心配しか残らない恋愛なんて…幸せになれるはずがないじゃないか!!!」

裕也の真剣なまなざしに、あたしは何も言えなかった。

「…俺なら…」

裕也なら…

「あっ!!! いたいたあ〜」

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⏰:10/06/11 19:42 📱:F02B 🆔:d95nv8bA


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