*- エロチュウ -*
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#415 [亜夢]
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じゃあもういい、と目を反らすあたしをみて龍紀は笑って言った。

「強がりやめよーよ。 おまえ興味ない人間とはしゃべらないだろ。 …俺のこと試してるだろ?な?」

龍紀はハアとため息をついていった。

「今日はとりあえず同伴するから時間頂戴。」

龍紀は隣のセット面に座ると自分もセットしてもらいはじめた。

あたしは支配人に電話して同伴の報告をすると残りの化粧に集中した。

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⏰:10/07/20 05:39 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#416 [亜夢]
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ふたり同時にセットが終わると龍紀はすぐに支払いをあたしと自分のぶんをして外に出た。

たばこを吸ってるんだろう。

「より戻したら報告してね★」

楽しそうにほほえむ担当。 …でも確かにあたしは強がりで、ただ相手にしてもらいたいけど素直に言えないだけだ。

水商売をしてから見栄を張るようになった。 そのせいかなあ?

あたしは化粧を終えると龍紀の待つ外へ出る。

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⏰:10/07/20 05:41 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#417 [亜夢]
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…わかってる。

あたしは龍紀とすぐにでもよりを戻したいことくらい分かってる。

なにが真実で嘘で偽善なのかなんて本人以外分からない。

作ってるなら真相を知らないほうが幸せ。

だまされてるなら夢見てたほうが幸せ。

でもあたしは期待してしまう。

やっぱり龍紀はあたしのもので、あたしは龍紀のものなのかもって…何があろうと思ってしまう。

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⏰:10/07/24 06:27 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#418 [亜夢]
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「亜夢っ…」

うれしそうに微笑むと龍紀はあたしの腕を引っ張った。

「グラサンでもすれば?お客さんにバレたらやばいでしょ。 だって…代表取締役なんだし…」

あたしは振り解こうとしても後ろ姿の龍紀は振り返りもしなかった。

近くに停めてあった車をピピッと遠隔操作であけると懐かしい車…

「のって?」

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⏰:10/07/24 06:29 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#419 [亜夢]
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しばらくするとあのマンションの前にいた。 龍紀と一緒に過ごしてたあのマンション。

「…何のつもり?」

あたしは背中を向けようとする。

「見せたいものがあるんだ!!!!」

子供みたいに無邪気に笑う龍紀が誘惑してるようには思えなかった。

そうだった。

このひとはあたしの前では【響皐月】なんかじゃないんだ。

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⏰:10/07/24 06:31 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#420 [亜夢]
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カチャ―…

玄関が彼の背中越しにみえる。 またあのマットでスリッパ置いてある。

壁にあった写真もデコレーションもそのまま。

「あむ〜〜〜」

甘えたような声で言う龍紀にびっくりして彼の手元をみると…トイプードル!!!!

「か〜わあい〜♪」

大の犬好きのあたしのそのまま家にあがってずっとあむと遊んでた。

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⏰:10/07/24 06:34 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#421 [亜夢]
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「俺ってきもい?」

という龍紀の声にあたしはやっとあむから目を離した。 は?と言う顔を作ると

「亜夢の名前からとって……未練たらたらだろ?」

と言った。

普通は気持ち悪いとか気色悪いらしいけどあたしにとってはとても愛らしいことに思えた。

首を横に振る。

ちがう、うれしいよって。

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⏰:10/07/24 06:36 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#422 [亜夢]
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…て言いたかったのに、言えない。

「亜夢がいなくなってから……ひとりになると寂しくてさ。 犬が彼女みたいな。 笑えるだろ。」

苦笑いして肩を落とす龍紀。

「…俺って勝手だよな…、おまえを切り離したのにまた戻りたいなんて都合いいこと…」

ハアとため息をつく。

「〜…また一緒にいたい…」

目をあわせずに龍紀は言った。

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⏰:10/07/26 20:47 📱:F02B 🆔:7L5GNZDA


#423 [亜夢]
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あたしは考えた。

…どうすれば幸せになれる?

あたし達は一度別れた。 あたしは幼なじみによりかかって彼らの策略になんて気づきもしなかった。

真相がわかった後に手をとったのは長年いっしょにいた裕也じゃなく龍紀だった。

やり直せると思った矢先に掘り返された過去の誰かの想い。

責任がとれない…意味のわからない状況から龍紀はやっぱりあたしが必要といってくれてる。

3度目の正直なのかな。

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⏰:10/08/02 07:21 📱:F02B 🆔:UJTKjLQY


#424 [亜夢]
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トイプードルのあむがあたしをきらきらした目でみてくる。

そうだった。

最初から龍紀はホストの響皐月でも、過去に縛られた龍紀でもなかった。

あたしの龍紀だった。

「――うん、やり直そう…龍紀。」

あたしはあむの頭をなでながら言った。 久しぶりにふれあう唇。

そのまま一緒に同伴で店にきたけど、あたしはいろんなことを想像した。 また龍紀との生活が始まるんだ、と想って…

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⏰:10/08/02 07:25 📱:F02B 🆔:UJTKjLQY


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