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#34 [亜夢]
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アタシ、妙に…響皐月がアタシと裕也が付き合ってるって思ってないかとか気にしてる。

裕也が言った言葉を、撤回して【うちら付き合ってないですよ?】なんていいそうにもなった。

なんなんだアタシ。

今日は月曜日。

シフトでは明日から4日連勤だ。

「次会ったらどんな顔しよ…」

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⏰:10/05/18 03:52 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#35 [亜夢]
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火曜の授業は、なんだかいつもより長く感じた。

「たぶん―…響皐月のことが気になってるからだ。」

っっっ!!!

「アリサ〜…アタシの気持ちを勝手にナレーションしないでよう…」///

「でも合ってるデショ?」

クスリと意地悪に笑うアリサ。

「も〜…」

丁度タイミングよく鳴ったチャイムで、裕也は背伸びをして起きる。 全く気楽なやつだ。

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⏰:10/05/18 04:00 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#36 [亜夢]
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8時に出勤。

シャツに黒いパンツ。 長い髪の毛をバレッタでまとめて、アタシは腰に黒いながめのエプロンをまく。 これがCIELのユニホーム。

そんな堅苦しいものはないけれど。

「店長おはようございます☆」

うん、おはようとマスターは言った。 このほんわかした雰囲気が好きなお客さんはかなり多い。

この店はリピーターが週に何回もくるくらい、ゆったりすごせるバーだ。

居心地がいいくせに、やたらいいムードが漂うこじゃれたバーだ。

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⏰:10/05/18 04:05 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#37 [亜夢]
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珍しくギムレットがバーのところに置かれてある。

これを飲むとしたらうちのお客さんでは、何かの社長さんをしている村上さんだけだ。

「昨日村上サン来てたんですね!!!」

ううん、と首を横に振るマスター。

「昨日皐月クンがひとりで、ギムレット飲みにきてたんだよ。」

響皐月がギムレット?

「彼の癖を教えてあげようか、亜夢ちゃん。」

え?

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⏰:10/05/18 04:09 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#38 [亜夢]
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「彼はね…スコッチをロックで飲むでしょう?」

ひとりで来るときは、確かにそれ以外飲んでるのを見かけない。

「彼、少し悩んだり、照れくさかったりすると…アイスをね、…こうやって人差し指でカラカラ回す癖があるんだよね。」

あ、そういえば…

「あとはね、気分が病んでたりすると…ギムレットを飲むんだよ。 彼って意外と繊細でね…」

まえに信用してた後輩をかわいがっててお金を貸したら飛ばれたことがあったらしくて、真剣にへこんでたとき、ギムレットを片手にマスターとお話してたんだって。

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⏰:10/05/18 04:13 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#39 [亜夢]
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「あとひとつあるけど…聞きたい?」

うん、と縦に首を振る。

「皐月クンはね…亜夢チャンがいるときに絶対ギムレットは飲まないんだよ。 と、違う言い方をすれば、…彼は僕に君が休みか電話してくるんだ。 やすみですよ、というとギムレットを頼んで…人生や恋愛について話したりしてくるんだよ。」

にっこり優しく微笑むマスター。

「でもそれって、アタシがいたら邪魔だから確認なんじゃないですか?」

アハハと軽く笑ってマスターは首を横にふった。

「亜夢チャンもまだまだだね。 …彼が君の存在を気にしてるからだよ。」

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⏰:10/05/18 04:18 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#40 [亜夢]
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「〜…だからそれってアタシに話を聞かれたくないからですよね?」

「うん、それはそうだよ。 だって君について話してるんだから。」

え?

「それは皐月クンも、君に言えるなら僕に相談したりしないだろうね。」

どういう意味?

カランカラン♪

「左渡さんいらっしゃい。」

焼酎ボトルを素早く出して、おしぼりをお客さんの手にそっとかけてあげる。

でも―…さっきのマスターが言ったことがすごく胸にひっかかる。

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⏰:10/05/18 04:21 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#41 [亜夢]
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4連勤最後の日。

週2のアルバイトの子が月曜と土曜固定出勤なので、アタシは何かがない限り、火・水・木・金にCIELにいる。

―…結局、響皐月は来ない。

12時過ぎたときだった。

カランカラン♪

「やっほお―い☆」

裕也とアリサがふたりでカウンターに腰かける。 このふたりはアタシが仲良くさせたんだが、ふたりで飲みにいくほど仲がいい。

「今日も飲むぞお♪…とマスター!!! あれ食べたいっ!!!」

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⏰:10/05/18 04:26 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#42 [亜夢]
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いつも裕也とアリサは、マスター特製のオムレツをたべたがる。 確かに美味しい。 本当に毎回食べるたびにおいしくなる。

「亜夢、アタシはね〜…カルアミルクくださあい。」

ふたりは自由に飲んで食べて、ダーツして遊んでる。 アタシはそれをみてただ笑ってるだけ。

と、

カランカラン♪

金曜の12時なのに珍しく響皐月がひとりでやってきた。

「あれっ…」

響皐月はアタシをみて目を丸くする。

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⏰:10/05/18 04:29 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#43 [亜夢]
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「響サン、何飲まれます?」

なんでアタシをみて驚いたのかは知らないけれど…なんだか不愉快だ。

「えとギム〜…じゃなくて、いつもの…」

いつものとはスコッチ。

ギムレットて今言いそうになったってことは何かに悩んでるんだな?ふうん〜…

裏方からオムレツを持ったマスターがでてきて裕也とアリサに渡した。

「また何かほしかったら言ってね。」

もちろん響皐月は裕也とアリサをみて、あれ?て顔を作る。

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⏰:10/05/18 04:32 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


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