*- エロチュウ -*
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#187 [亜夢]
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…夜中に電話が鳴ってる。
俺は目を擦りながらドアをあけるとパジャマを着たお母さんが顔を真っ青にして飛んできた。
「龍紀っ…―」
お母さんはそのまま何もいわずに車を出すとなぜか病院に向かった。
いやな予感がする―…
「先にいって…」
俺は母さんに言った。
「亡くなったの…」
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:10/06/07 06:06
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#188 [亜夢]
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「マナブ君が亡くなったのよ、龍紀…」
嘘だ。
俺さっき電話したし。
「悪い冗談だな…夜中に。 あの横田おじさん?体調ずっと悪かったもんな?」
マナブのお母さんとお父さんが目に入る。
なんで泣いてるの?
マナブのお母さんは電話してる。
「忍…はやくかえってきなさいっ…」
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:10/06/07 06:09
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#189 [亜夢]
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俺は会ったことないがマナブには双子の弟がいる。
すぐに家をでて年上の女と住んでるとか変なことは聞いた。
「…おばちゃん、マナブは?」
「たっちゃん…」
仲良しだったからマナブのお母さんとは色々話したり、ご飯をごちそうになったりした。
笑顔のおばちゃんが
俺にみせたくしゃくしゃな顔。
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:10/06/07 06:11
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#190 [亜夢]
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「あの子…いってきます!!! て笑顔で出かけたの。 夜にでるなんかいつもだし、なにも心配してなかったわ… 無免許を止めなかったあたしが悪いんだけど…
トラックの運転手が居眠り運転で反対車線にでたらしいのよ… 運悪くマナブはタイアの下敷き…」
俺は首を横に振った。
「…顔はみないほうがいいわ…」
俺は激しく首を横に振る。
ここからでも見える。
白い布をかぶった誰かが寝てるくらいわかってる。
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:10/06/07 06:14
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#191 [亜夢]
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「…マナブ?…」
告白できなかったのか?
俺はそっと白い布をとる。
「―――!!!!!」
思わず絶句してしまった。
顔が確認できる状態ではなかった。
「おばさん、マナブじゃないよ…うん、やっぱ違うんだよ…」
「たっちゃん…」
おばさんの赤くなった目をみればみるほど俺はその場から逃げたかった。
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:10/06/07 06:16
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#192 [亜夢]
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まさか。
そんなはずはない。
日があけて…学校にいかなくてはならない時間になった。
「まさかな…?」
俺は普通に登校して席についた。
バタバタと華と百合恵が俺の元にやってくる。
「嘘でしょ?…」
「ねえ、龍紀…マナブが死んだなんて嘘だよね!!!!」
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:10/06/07 06:18
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#193 [亜夢]
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「き…昨日会った…」
病院で、白い布をかぶってた、息をしてない…あれがマナブ?
「わかんないよ…俺マナブがいなくなった実感なんてこれっぽちもないんだよ!!!」
なんであいつの席が空っぽなんだ?
なんで朝会であいつの名前が何度もでてくるんだ?
なんであいつが俺の隣にいないんだ?
なんで?
「お〜いマナブ…」
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:10/06/07 06:21
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#194 [亜夢]
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もう返事がかえってこなくなって1か月が過ぎた。
学校に行く意味もなくなった。
百合恵は酷く精神的に落ち込んでしまった。
華は俺と百合恵を交互に心配しては連絡をくれたり家まできたこともあった。
まさかいえない―…
あの日マナブは華に告白しに行こうとしてたってことは、とてもじゃないけど口に出せなかった。
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:10/06/07 06:23
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#195 [亜夢]
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華が俺の家にほぼ毎日来るようになった。
俺たたは言葉を交わすこともない結ばれた。 マナブの命日もふたりで手をあわせにいった。
あとから知ったことは…
百合恵がひどくマナブのことを好きだったということ。
それから華はずっと俺のことを好きだったということ。
秘密は
マナブの最後の想い…
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:10/06/07 06:26
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#196 [亜夢]
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華は好きだ。
俺らにとってあの時間は大事だった。
いまだに覚えてる。
あの日の笑顔や俺に絡みつく愛しい体。
忘れられない場所や言葉。
忘れてしまいたい痛い過去。
華は好きだったんだ。
でも華はまだ俺の夢をずうっとみているんだ。
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:10/06/07 06:28
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