【統合】ﾌｧﾝﾀｼﾞｰなおしりＨ

「そ…そんなぁ…。」

鈴々はぐったりとうなだれた。

「ですが…それを実現させる方法が１つだけあります。」

「えっ!?どうすればいいの？」

「その方法とは、天昇山（てんしょうざん）という山の頂上に住む仙人様に修行をつけていただくことです。」

「天昇山に住む仙人様…？」

「はい。天昇山はここから南西に200㎞程進んだ所にありまして、その付近では一番背の高い山です。仙人様は武術の達人でいらっしゃいますのできっと鈴々さんをメルーザにも負けない程の武闘家へと育て上げて下さるでしょう。」

「ありがとう！」

それを聞いた鈴々は礼を一言言うと即、猛烈な勢いで走って行った。

鈴々がその場を去ると、占い師が本当の姿に戻る。

なんとその占い師はベドムであった。

「フッフッフ…実に容易い。」

そしてそのままベドムは姿を消した。

鈴々は一目散に天昇山を目指して走った。

鈴々の身体能力をもってすれば200㎞程度の距離はどうと言うこともなく、一時間程度で山の麓まで辿り着いた。

天昇山を見上げる鈴々。

「これが天昇山ね…。」

天昇山は岩がむき出しの、険しく荒々しい山であった。

「ようし！」

鈴々は気合いを入れると、一気に山を駆け上がった。

常人なら登ることは不可能な岩壁を、鈴々はその強靭な脚力と腕力で跳ねるように登って行った。

さすがの鈴々も、少し息を切らしながらも頂上まで到着した。

「はぁ、はぁ…」

天昇山は頂上にのみ植物が自生しており、そこは小規模な林になっていた。

鈴々はその林の中に入って行くと、こじんまりとした建物を発見した。

「こんなところに…。これは仙人の家に違いないわ。」

鈴々は恐る恐るその建物の戸を開けてみた。

「ごめんくださーい。」

建物の中は無人らしく、返事はなかった。

「あれ…？留守かなぁ。」

そして鈴々が振り返ろうとしたその時、

（ｻﾜｻﾜｻﾜ…）

何者かが鈴々のお尻をなでた。

「きゃっ!!」

驚いた鈴々はその何者かをとっさに蹴り飛ばした。

（ﾄﾞｶﾞｯ！）

「ふごっ

」

何者かは木に激突し、その場に倒れて痙攣している。

（ﾋﾟｸﾋﾟｸ…）

その何者かは老人男性で、白く長い髭を携え、いかにも仙人という佇まいだった。

「え？まさかこの人が仙人様？」

するとその老人はムクッと起き上がり、鈴々を見るや怒鳴った。

「この小娘！いきなり蹴り飛ばすとは何事じゃ！ワシャ仙人じゃぞ！殺す気かボケェ!!」

鈴々は焦って謝った。

「ご、ごめんなさい!!…でも仙人様がお尻触ったから…」

「うるさーい！まったく最近の若い奴らは何もわかっておらん。武術と尻には密接な関係があるんじゃい！…おぬしもワシに武術を習いに来たのじゃろう？」

「は、はい！私に武術を教えて下さい！私、強くならないといけないんです！」

「ほほーう、そんなに強くなりたいか。」

「はい！」

「ワシの修行は辛く厳しいぞ。おぬしのような小娘に耐えられるかのう。」

「必ず耐えてみせます！」

「うむ。真剣なようじゃのう。よし、おぬしに修行をつけてやろう。」

「ありがとうございます

」

鈴々は嬉しそうに頭を下げた。

「それではさっそく…おぬしの力量をはからせてもらおうかのぅ。」

「力量…ですか？」

「うむ。まずこの木に手を付いて尻を突き出すのじゃ。」

「えぇっ!?そんなこと言ってまたお尻触るつもりじゃないんですか？」

「バカモン!!尻こそが武術の基点となる部分。尻を見ればすべてがわかり、尻を鍛えることが武術の基本じゃ。つべこべ言わんと早くせんか！」