【統合】ﾌｧﾝﾀｼﾞｰなおしりＨ

「おぬし…このワシを疑っておるようじゃのう。」

「はい。かなり疑ってます。」

鈴々はハッキリ言い切った。

「よかろう。ではワシの力というものをちぃーとだけ見せてやろうかの。」

鈴々はもう仙人に期待などしていなかった。

すると仙人は後ろを振り返り、何やら気を籠め始めた。

「はぁぁぁぁ…」

仙人の体内から気が沸き上がる。

その気の圧力に鈴々は驚いた。

「う…うそでしょ…。こんな強力な気を潜めていたなんて…。」

「むおぉぉぉっ!!」

仙人の両手に気の塊が出来る。

仙人はその気の塊を１つに合わせて一気に放った。

「覇王

烈気砲

」

（ゴアァァァァッ!!）

仙人の放った強烈な気は隣の山を吹き飛ばした。

鈴々は目の前の出来事に愕然とした。

「す、すごい…。」

「ふぃ～、どうじゃ？これで少しは信用したか？ん？」

「あ…は、はい！先程は失礼しました

どうか私を強くして下さい！」

「うむ。わかればよろしい。それではまず腹ごしらえをするかの。家に上がりなさい。」

鈴々は仙人に言われるがまま、仙人の家に入った。

家に入ると仙人は仙術によって、山のようにたくさんの食事を出した。

仙人は少しだけ自分の分を取り分け、あとの全部を鈴々に差し出した。

「こ、こんなに食べるんですか!?」

「さよう。強くなるには食うことも大事な要素じゃ。さぁ、遠慮せずに食べなさい。」

「はい。それではいただきます！」

（ﾊﾟｸﾊﾟｸﾓｸﾞﾓｸﾞ…）

「あ、おいし～い!!

」

「そうじゃろそうじゃろ。ほれ、どんどん食べるのじゃ。」

元々大食いの鈴々はもの凄い早さで食事をたいらげていった。

さすがの鈴々でも多すぎる量だったが、根性でなんとか食べきった。

「ご、ごちそうさまでした。…うっぷ。」

「ほほぅ、この量を食いきるとは。おぬし、なかなか見込みがあるのう。」

「あ、ありがとうございます！」

「それでは少し休んだら外に出て組み手の練習じゃ。」

「はい！よろしくお願いします！」

少しだけ休憩した後、組み手の稽古が始まった。

鈴々は強くなれるという期待に胸を膨らませていた。

これから始まる悪夢の存在も知らずに…。

「よし、どこからでもいいから掛かって来なさい。」

「え？いきなりですか？」

「早うせんか。」

鈴々の攻撃を待ち構える仙人。

「それでは…はぁっ!!」

鈴々は少し緊張しながらも仙人に攻撃を仕掛けた。

常人には目で追うことすら出来ない鈴々の攻撃を仙人はいとも容易くかわし、逆に数発の拳を鈴々に放った。

しかしその拳には大した威力もなく、鈴々は無傷だった。

が、鈴々は拳の威力よりも仙人のそのスピードに驚いた。

「は、速い…。全く見えなかった。」

次の瞬間、

（ｶﾞｸﾝ…）

「あれ？」

鈴々は突然全身から力が抜け、その場に膝を着いた。

「な、なんで？…体に力が入らない…。」

仙人が薄ら笑いながら鈴々に近付く。

「むぉっほっほ…。」

「せ、仙人様、体が…動きません

」

「そうじゃろ。今ワシは、体から力が抜けるツボを突いたからのう。」

「すごい。仙人様はこんなことも出来るんですね。でも…早く元に戻してもらえないですか？」