【統合】ﾌｧﾝﾀｼﾞｰなおしりＨ

セリスと兵士が中に入る。

半ば放心状態だったセリスだが、ベドムの顔を見た瞬間、その表情が険しく変化した。

「貴様…よくも!!　なぜグレンを殺す必要があった!?」

ベドムを睨み付けるセリス。

「おっと、まだ言葉を発する気力が残っていたか。…余計な事を言ってくれるものだ。」

セリスの言葉に二人の兵士は驚き、顔を見合わせ、一人の兵士がベドムに問い掛けた。

「べ、ベドム様…。グレン様を殺したとは本当の事でございますか…？」

もう一人の兵士が言った。

「ま、まさか…お前馬鹿なこと聞くんもんじゃないぞ！コイツが変な事言って申し訳ございません、ベドム様。」

二人の兵士の心臓が張り裂けそうに高鳴った。

ベドムは兵士をギロリと睨みつけて言った。

「あぁ。この私が殺した。」

兵士は体中に嫌な汗をかき、背筋が凍り付きそうだった。

「グレン殿はメルーザ様を裏切ろうと目論んでおったのだ。」

「えぇっ!?グレン様が…」

兵士はさらに驚いた。

「グレン殿はこのセリスと共謀してメルーザ様を討とうと企んでいたのだ。だからやむなく私がそれを阻止したまでのこと。」

それにセリスが反論した。

「デタラメを言うな!!貴様は瀕死で動けないグレンを何の理由もなく殺した!!」

ベドムはゆっくりセリスに近付いた。

「減らず口が…。」

（ﾄﾞｺﾞｫｯ!!）

セリスの腹部に魔闘気を帯びたベドムの拳がめり込む。

「がはっ…！…あっ…。」

セリスはその場に倒れ込み、両脇の兵士は恐怖によって硬直していた。

「よいかお前達。このことは他言無用だ。もし、誰かにしゃべったら……貴様等の命は無いと思え。」

「は、はいぃっ!!!

」

「だ、誰にも言いませんですます!!!

」

「それだけだ。セリスを置いて持ち場に戻れ。」

「し、失礼致しました!!!」

兵士達は逃げるように部屋を立ち去った。

「うぅっ…。」

ベドムは苦しむセリスの首元を掴み、上に持ち上げた。

セリスは息苦しそうに悶える。

「人間最強のお前のオーラはいかほどのものかな…？フッフッフ…」

「ぐ…な、何を…」

セリスの首を掴むベドムの手に黒いオーラが集まる。

「オーラスティール！」

ベドムがそう呪文を唱えると、セリスの中のオーラがベドムの方に流れ込んできた。

「うぁっ！あぁぁっ…。」

セリスには成す術がなかった。

「おぉっ…素晴らしいぞセリス。なんと強力なパワーだ。入ってくるぞ…私の身体に入ってくるぞ！」

ベドムはセリスのオーラを吸い尽くすと、セリスをその場に放り投げた。

（ﾄﾞｻｯ…）

「うぁぁっ…」

「さすがは人間最強というだけのことはある。体の底から力が湧き出してくるようだ。…しかし、メルーザに気付かれんように力を抑えておかなければならんな。」

「き、貴様…何を企んでいる…」

「フッ、貴様には関係のないことだ。貴様はティナやエイミーと同様に馬鹿なモンスターどもの欲望を満たす道具として生かしておいてやる。」

「二人はどこだ!?」

「心配するな。すぐに会わせてやる。二人とも、戦うことしか能のないモンスターどもの慰安婦として良く働いてくれているぞ。」

「くっ！…貴様ぁ…」