選択
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#1 [桐] 10/10/28 22:07
人生には沢山の選択肢があって
どれを選ぶかによって
人生は左右されるのである。


間違っていたとしても
正しかったとしても

誰を攻めることもできないのだ。

#2 [桐]
今日も一日が始まる。

ジリリリリ、とありきたりな目覚ましの音にありきたりな日光にありきたりな私の部屋。

だが、楓(かえで)はいつもとは違うスッキリとした目覚め。

今日、この日に、彼女は16歳になったのだ。


「かーえーでちゃん。おっはよう。飯できてっぞー。」

「おはよ!こうちゃん。ねえねえ今日ってさなんの「はやく飯食わねえと遅刻すっぞー。‥て、もう遅刻なんだけどな。」

⏰:10/10/28 22:12 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#3 [桐]
こうちゃんは楓の担任の坂本幸助(さかもとこうすけ)。火曜日の1時間目はこうちゃんの国語の時間だから授業をちょっとの間だけ自習にして楓を起こしに来るのだ。

というのも楓は幼稚園からの寝坊魔で中学校の修学旅行にも寝坊するという強者なのだ。

「‥‥‥こうちゃん、それボケてんの?」
「なに言ってんの、ボケてんのはお前だろ?はやく準備しちまえー。」
「こうちゃんなんて両足とれろ」
「‥なんか楓に不吉な願いを言われた気がするがスルーしてやろう」

寝癖でボサボサの楓の頭にポンポン、と手をおくと立ち上がる幸助。

そんな幸助を楓は恨めしそうな目で見つめていた。

⏰:10/10/28 22:20 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#4 [桐]
楓の身支度も終わり、幸助の一服も終了し、幸助手作りの朝食も食べ終わり

二人で幸助の車に乗り学校へ向かう。

「あーぁ、人生つまんない。」
「女子高生がなに言ってんだよ。」
「だってつまんないんだもん。」
「そーいうなって?な?」

人生がつまんないと思う原因はほとんどお前だよ、と楓は幸助を睨むが

楓の頭をまたポンポンとする幸助は前を見て楓の顔なんて見ていない。

「俺が起こしてやってんだぞ?まじレアなんだからな?感謝しろよ?」

「‥なにそれ。」

いつからだろう、こうちゃんに起こしてもらうようになったのは‥

⏰:10/10/28 22:28 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#5 [桐]
楓は窓の流れていくような風景を見ながら記憶を辿ってみる。




いつの間にかいなくなっていた親や親戚。なにがあった、とかそういうのも無くってただあったのは一人暮らしにちょうどいいマンションと毎月暮らせるぶんのお金がある銀行口座。

こうちゃんに出会ったのは高校に入る前の春休み。

こうちゃんは同じマンションに越してきた。

『こんちわー。隣の隣の隣の坂本でーす。』
『あ、ども。』
『お母ちゃんいる?』

なんだこいつ、って思った。だってずっと無表情だし髪の毛はボサボサだし
挨拶なのに印象良くする気あんのか、って。

⏰:10/10/28 22:33 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#6 [桐]
『あー、あたし一人暮らしです。引っ越してきた方?』
『え、一人暮らし!?!親なんもゆわねーの?危なくない?』
『あ、はい、まぁ、いないんで‥それにここオートロックだし‥』
『ひぇー。最近の若いこはすごいねぇ。中学生でしょ?俺なんて部屋の掃除まで母ちゃん任せだったわ。』
『あ‥そうっすか。まぁ、よろしく。』
『ま、俺も母ちゃんなんていなかったけどさぁ。アハハハ。』

なんて適当なんだ、こいつ。
人の話聞かないしイライラする。

『そーですか、よろしく!!!!』

ドアを閉めようとしたがこうちゃんにガシッととめられちゃった。

『‥まだなにか?』
『一人暮らし同士仲良くしよーぜ?俺、坂本幸助。こうちゃんでいーよ。お前は?』

『楓。澤本楓。』

手をどかして次こそはドアを閉める。

⏰:10/10/28 22:41 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#7 [桐]
妙な感覚だった。

失礼だし、ルックスは‥綺麗で整った顔をしてるとは思うがそれ以上に気になるのが

だらし無いジャージに眼鏡はずり下がって頭ははねまくりに猫のキャラクターの健康サンダル

だけど決して下品でも汚らしくも無く、育ちのよさそうな顔。染めてはいないんだろうが自然で綺麗な茶色。

そしてどことなく色気がある。


喋っててイライラするのに嫌じゃない。
自然に自分の中に入ってくる不思議な感覚。

なにより、懐かしい感じ。

⏰:10/10/28 22:50 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#8 [桐]
それから入学式でこうちゃんは担任なんだって知った。

今は二年生。

そう考えたらもう一年ちょっともこうちゃんの近くにいる。
長いようで速かったこの日々。


この一年であたしはこうちゃんが好きになった。

こうちゃんの不思議な魅力に惹かれてしまったのだ。

こうちゃんは今もガキ扱い。

それでもいいんだ。今はこうちゃんとどうなりたい、こうなりたい、なんて無いから。

こうちゃんに起こしてもらうのが週に三日もあって一緒に朝食をとれるのがそのうち二日で一ヶ月に一回、あるかないかのお出かけ。

今が幸せなんだ。

⏰:10/10/28 22:54 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#9 [桐]
「なにボケ」

⏰:10/10/28 22:54 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#10 [桐]
↑間違えた(´;ω;`)

「なにボケっとしてんの?ついたけど。やべぇ、あと授業15分しかねぇよ。はやく!!!」

「あ、うん。ごめんごめん!」

楓はヘラッと笑うと幸助の背中を追う。車の鍵を閉めるフリしてとまる幸助。

優しいな、と楓は幸助の横顔を見つめる。

「なに見つめてんの。惚れたか?(ニヤニヤ)」
「‥こうちゃんって馬鹿だよね。はやく行こ!みんな待ってる!!」


二人は二人のクラスに小走りで向かって行った。

⏰:10/10/28 22:59 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


#11 [桐]
教室の前につき、いつもなら先に入る幸助が立ち止まる。

「え?なに?先入らないの?」
「いや、別に。お前先入れよ。」

「????意味不明。」

楓は言われた通りガラガラ、と古びた教室のドアを開けると





「「「「「「「楓ー!!!お誕生日おめでとぉぉー!!!!!!!!」」」」」」」


パン、パン、パンと一斉にクラッカーが鳴る。

⏰:10/10/28 23:03 📱:auSH3F 🆔:onri8ju6


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