　大好きだった人

大好きだった人

――ねぇ雄太？
私は雄太が好きだよ
どんなことがあってもね。
たとえ君が私のこと好きぢゃなくても…。

付き合って７ヶ月。
私の友達は
「そろそろ冷めてくる時期だよね」
なんてゆってるけど、私は変わらず大好きだ。
雄太はどう思ってるかわからないけど…。

私は高２。(西宮　杏奈)
彼は高３。(木下　雄太)
私たちは付き合ってます。

「雄太、メール大丈夫かなぁ…」
雄太は今頃受験勉強だろうな。
(ぢゃましちゃいけない)
とは思っていたけど
思わず送信ボタンを押してしまった。

ﾌﾞﾙﾌﾞﾙｯ
メールがきた。
雄太から
(勉強してるからメール無理。)
の一言。
「そっけないなぁ…」
そんなこと思ってるとまたメールがきた。
「鈴香からだ」
(今暇？)
遊びのお誘いかな？
(暇だよ)

ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
(今さぁ――)
みたくなかった。
この先の文を見たら
自分が傷つきそうで
みたくなかった。
でも―――

(今さぁ雄太君と友達とクラブにいるんだけどくる？でも雄太君、杏奈をつれてこないからびっくりしちゃった！)

雄太。
わかってたよ
嘘だよね？
勉強なんて。
でも私はいかないよ。
いったら雄太が困るでしょ？
雄太が望むなら
私はなんだってできる。
大好きだから…。

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「杏奈ちゃーん！」
え？
その声は窓の外から聞こえた。
二階の窓を開けた。
「叶坂先輩…？？」
そこにいたのは私を見上げた、先輩がいた。
高３。(叶坂　海斗)
私は階段をおり、玄関をでてせんぱいにちかよった。「杏奈ちゃん」
「は、はい？」
「杏奈ちゃんは今暇かな」「え…はい」
「彼氏とかいるのかな？」「はい…」
「じゃあ、今一緒にいるよね」
「今は一緒にいません」
「浮気してたりして」
可能性はある。
「今日はさ、俺と一緒にいない？」
「え」
「どう？」
「いやです…」
「即答か…悲し…はは…」「ごめんなさい」
時刻は夜の１２時を回った。
「そろそろ彼氏帰ってくるんで……」
「…うん」

「あっ雄太」
雄太は無言で私と先輩を横切った。
「……っ」
「杏奈ちゃん？大丈夫？」「平気なんできにしないでください！さようなら！」「あ…っ」
私は玄関を思いっきりしめた。
雄太とはこっそり同居してるから気まずい。

「…雄太ぁ…？」
「…ん？」
私は雄太の横に行き、顔をのぞいた。
「私のこと好き？」
「…しらね」
「どうしてぇ？？」
これ以上いってくれたことがない。
「じゃあキスして？」
雄太はまた無言で私の唇に重ねた。

深くて――
深くて
なんの味も…しなかった。
「２３秒ね」
「は？」
「キスの長さ」
「……」

私はキスで恋を確かめてる。
それでいい。
それ以上知るのはこわいから…。

そのまま…眠りについた。
「みのり…ごめん。やっぱ俺、駄目だ…。みのりを守ってやれね。駄目な男でごめんな。嫌な思いさせたな。でも、もうお別れだ」

「―――さようなら」