… 極 楽(18禁)愛 戯 …
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#250 [夢。*]
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「…誰だった?」

「間違いだったみたい。」

にっこり微笑んで、俺は凛の頭を優しく撫でる。 そっか、と言うと凛は俺の腕に絡みつく。

そうするとすぐに俺は勘違いするよ?お前が俺を求めてる…て。

「龍…あたし、もうすぐ夜あがるかもしれない。」

「よかったじゃん! なんで突然そんなの決まったの?」

「目標金額までいったから…」

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⏰:11/03/31 21:24 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#251 [夢。*]
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「目標金額…?」

ずっとあたしが黙ってたこと。

「うん……」

龍の腕に絡めた手の強さをぎゅうっと、さっきより強く絡める。

離したくないの…でも…

「あたし海外行きたいの…」

「……」

秘密なんじゃない。

でも言えなかったの。

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⏰:11/03/31 21:26 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#252 [夢。*]
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「…海外と俺なら、海外だよな」

さっきまであった笑顔は、龍の顔から当然なくなった。

「…悩んでる。」

「夢と俺で悩んでるの?」

うん、とあたしは言った。

正直、龍の過去を聞いてから余計に彼に対する情がわいたというか、絶対一緒に居ようと思えたし、前より愛そうと思えたから、

夜の仕事を続けてる意味もよくわからなくなってきたのも事実。

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⏰:11/03/31 21:29 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#253 [夢。*]
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「…俺が言ってどうこうできるものじゃないから、好きにしたらいいと思うよ。 凛が決めたことに俺は何も言えない。」

かっこつけてるよな俺…

本当は一緒に居て欲しいくせに意地張ってさ。

「凛は夢追いたいから夜したんだろうし…」

勧めてどうすんだよ俺…

ちゃんと止めたいならとめろよ、ださい男だな。

「な?」

頭を撫でながら優しく言う俺。

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⏰:11/03/31 21:33 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#254 [夢。*]
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凛はその日、うん…としか返事をせず、あまり話もお互いしようとしなかった。

だからと言うわけじゃないけど今俺はあのクソ女と会ってる。

古びた喫茶店で向かい合わせ。

「……龍、相変わらずかわいい顔のまんまで安心したわ。」

あんたはどんどん老けてってるね。

「ずっと避けられたけど…謝ろうと思ってね。」

話の内容は俺をお世話しはじめた頃までさかのぼる。

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⏰:11/03/31 21:36 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#255 [夢。*]
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龍が5歳のとき。

妻子がないと言われてた龍の父親からの家族の告白。

ホステスとお客さんで恋に発展して、本気で彼を愛した。 でも騙されてた。 …ほんとにまさかだ。

喧嘩したある日、

「俺には家庭もあるんだ! …今更だけどお前と家族じゃ比べものにはならないよ…」

ショックだった。

本気で愛したひとには自分よりも大事なひとがいることが。

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⏰:11/03/31 21:39 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#256 [夢。*]
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怒りよりも悲しみよりも、なんだかただ無性に寂しかった。

そんな頃にあたしを頼りにしてくれる龍を愛したいと思った…

無理矢理あたしに押しつけてきたけれど、憎みたかったけど、大人の勝手な都合で捨てられたも同然な龍は、あたしと同じ境遇なんだと勝手に思えた。

今になって思うけど、龍と父親には他にも女がいた。 あたしには都合よく龍を押しつけてきたけど。

別居して離婚したけど、あたしのもとには結局来なかった。

…あたしも捨てられた。

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⏰:11/03/31 23:11 📱:F02B 🆔:/3wR9k0.


#257 [夢。*]
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「別れるから。」

と耳元で囁く彼。

「そばにいて。」

と泣きそうな声で涙を目にためる龍。

「俺にはお前だけだよ…」

と嘘でも上辺で言う彼。

「僕には冴子姉ちゃんしか…いないから。」

と嘘偽りのない表情で言葉を発する龍。

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⏰:11/04/01 01:32 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#258 [夢。*]
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15歳になった龍は、周りの男の子達よりも十分なくらい大人っぽくて、色っぽかった。

…何より彼に似てきた。

正直それで愛しくて、甘えてくれる彼に自分が甘えてしまったんだと…今は後悔してる。

彼にも捨てられ、龍にも捨てられて、…あたしには一体なにが残るの?て思ってしまう。

「ごめんなさい……」

いろいろあったけれど冴子は俺を世話してくれた人だ、何があったとしても自分の親は俺を捨てても冴子はちゃんと面倒をみてくれた。

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⏰:11/04/01 01:51 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#259 [夢。*]
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「…いいよ、頭あげて?」

なんとなく俺も優しくなれた。 たぶんこれも凛を愛して愛されたからだろう…人に対して優しい気持ちになれるようになった。

「ありがとうな、冴子…」

「龍ちゃんも大人になったよね…ほんと、あたしが老けたというか…」

くすくす笑う冴子は本当に老けた。 もう30歳後半になるのかな?

「龍ちゃん…」

しあわせになってね、とだけ言うとお会計を取り上げて店をでていった。

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⏰:11/04/01 01:57 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


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