… 極 楽(18禁)愛 戯 …
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#280 [夢。*]
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――…

ピンポーン。

裸のまんまで絡み合ったまま寝てるふたりを邪魔する鐘の音。 早朝なんだけど…俺は重い体を起こしてインターフォンをみる。

夫婦?まさか…

「凛っ、あれお前の父親と母親かっ?」

俺は急いでジーパンにTシャツを着る。

「ん~?」

と同時に凛の携帯が鳴る。

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⏰:11/04/01 05:05 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#281 [夢。*]
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『もしもし?あなた自宅にいないの?』と電話口で母親らしき声が聞こえる。

「今起きたの~…」

凛はパジャマにそそくさと着替えるとオートロックをあける。

普段から部屋を綺麗にしておいてよかった。 何も片づけるところがない。

でもまさか、凛の両親にこんな早く挨拶しなくなるなんて。

ガチャ―…

「おじゃまします」

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⏰:11/04/01 05:08 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#282 [夢。*]
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「…初めまして、凛さんとおつき合いさせて頂いてる黒崎龍と言います。」

玄関あがるなり、龍は深々と頭をさげていうから、あまりの真面目さに両親はびっくりしていた。

「…いい人じゃない~」

「龍くんは何のお仕事をしてるのかな?」

前々から、凛とお互い言ってたんだ。 凛の親には仕事のことは、申し訳ないけど伏せて話そうって。 凛は会社員、俺は夜の店の経営者ってことにしてる。

「稼いでるからこんないいお部屋に住めるのね。 凛はちゃんと感謝しないと。」

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⏰:11/04/01 05:12 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#283 [夢。*]
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凛の両親はかなり俺のことを気に入ってくれたみたいだし、かなり仲良くなれた気がする。

仕事については嘘をついてるけど数週間後のイベントでラストだし、楓さんの意向で夜のバー運営とアパレルのモデルとかを推薦されてるから、できるかぎりのことはやる予定。

凛の両親がかえってから打ち明けた。

「俺2週間後のイベントでホストあがるから。」

だから……

「凛もがっても、俺のそばにいてもらいたい。」

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⏰:11/04/01 05:17 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#284 [夢。*]
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「……実は海外行くって言ったとき、止められなくてショックだった。 あたしの中では海外に行く夢よりも龍と一緒にいれることが幸せだと思えたから……」

だから…

「嬉しい……」

結局止めてもらいたかっただけか、凛も。

「俺をひびらすなよっ」

「……だって~」

俺たちは違う道を歩みはじめる。

>>272

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⏰:11/04/01 05:19 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#285 [夢。*]
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ラストイベント―…

正直バースデーも辞めるって決めた時点からやる気はなかった。 けど、店のためにできることといえば最後の最後まで売り上げをあげること。

ほんと…ホストを長い期間続けてきていろいろあった。 大変すぎて体調を崩したことも、嫌になって途中で投げ出したくなったときも…

もちろん未収を飛ばれて痛いめを見たこともたくさんあった。

「~最後かあ…」

5年と半年。 俺ももうすぐ24歳になる。

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⏰:11/04/01 05:26 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#286 [夢。*]
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白スーツに赤い薔薇を胸元にさしてラメスプレーを頭にちらばせる。

楓さんに貰ったこのスーツは本当に着るだけで身がひきしまる。 ラストにはふさわしいけど、もったいないくらい高貴な感じがする。

大好きなブルガリブラックを首もとにふると最後の営業日がスタートする。

…席についた途端泣き出す子もいた。

もちろん今日は楽しもうといってシャンパンを大量に卸すいいお客さんもいた。

「ありがとう…」

いつも以上に感謝の気持ちでいっぱいで深々と頭をさげてお礼をつげる。

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⏰:11/04/01 07:09 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#287 [夢。*]
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下の子に言われて、入り口のとこまで出ると

「龍…」

仕事終わりなのかドレスを着た凛が店に足を運んでくれた。 いままで自ら店にきたことがない凛だけど、ラストに花は添えたいといってたからな…

赤い薔薇の花束とお疲れさまのメッセージカード。 俺は席には通さなかった。

そのままがんばってね、というと凛は先に自宅にかえっていった。

やはり彼女にホストをしてる俺ていうのはあんまり見せたくない。

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⏰:11/04/01 07:13 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#288 [夢。*]
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営業時間がまもなく終わるってときにはもう満卓が数時間続いてる状態だった。

俺はステージにおかれた椅子に座らされて楓さんがマイクを持つ。

「…いまだに覚えてます。 18になったばっかのコイツが店に入店してきたときは、ほんとクソ生意気なやつでした。」

あー…もう終わるんだ。

「…ずっと楓さんを抜くって言い続けて…もう今じゃあ、3年くらい抜かれっぱなしです。」

ここで過ごした5年間。

「ほんと弟みたいに可愛く想ってました。」

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⏰:11/04/01 07:17 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


#289 [夢。*]
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「そんなコイツが夜の世界を飛び出して、また新たな一歩へとすすみだす日がきてしまって…応援してやりたい反面、この世界でももっとレオンを見てやりたかったと思う気持ちで…結構俺は複雑です。」

楓さんは俺のことを一生面倒みてくれそうだもんな…

「ありがとうレオン。 俺の下で一番がんばってくれて……統括ていう座もちゃんと務めてくれて。 下の子達から慕われる理由も、お客さんから愛される理由も俺にははっきりわかります。」

お疲れさまでした、と楓さんが言ったのと同時に従業員みんながお疲れさまでした、と声をかけてくれる。

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⏰:11/04/01 07:21 📱:F02B 🆔:UlZH00Iw


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